コンビネーション!

□雨の日の放課後
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「あ…雨だ…」

帰りのショートホームルームの時間、ふと外をみた。

雨。

しとしとと降り続けている。

たしかに今朝の天気予報は雨といっていた。

「今日は中かぁ…」

今の季節、晴れれば外は気持ちよく、汗もかける。

「和深、今度の日曜日どっか遊びに行かない?」

後ろの席の、仲のいい友達。

「ごめん、日曜日試合なんだ!」

どうせ出はしないだろうけど、行かないというわけにもいかない。

「よくやるよね、和深も。
女の子だったらテニス部とかバレー部とかなんじゃないの、普通。」

サッカー部に入ってる女子なんて普通いないよ。

「親にもいわれるよ。
でも、夢があるから頑張れるんだよ。」

もっと別な仕事があるでしょうといわれても譲れない。

「日曜日の試合は絶対に勝てる試合だからね!」

フィフスセクターによって支配されている試合だが。

「天下の雷門中学がそんなに弱いとこと戦うんだ…
頑張れ、ベンチの守護神!」

フィフスセクターは、サッカー関係者以外には知られていない。

誰も、上からの命令で八百長試合をしているなんて思うはずがない。

「なんか…他の人にいわれるとすげームカつく…」

和音と二人でベンチの守護神と名乗っているが、あくまで自称。

他人にいわれると頭にくるらしい。

【キーンコーンカーンコーン…】

「やばチャイム…
ごめんあたし部活だから!」

鞄を持って部室にかけていく。

「部室まで傘さすのめんどくさいな…」

昇降口に置かれたピンクの傘を持ち、走り出した。

どうせ直ぐに着替えるのだから。


雨の日の放課後の、日課


(和深水玉!)

(傘さすのめんどくさいしすぐジャージだし…)

(女なんだからちゃんとしろよな…)

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