Soccer is my life!

□vs戦国伊賀島
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【タッタッタッ】


「宮坂君、みんな!
お帰りなさい!」


校舎の周りの走り込みが終わったらしい。


タオルの置いてあるベンチに戻ってきた。


「今日は風が気持ちいいね。
走っててどうだった?」


僕が座ってたベンチの隣に置いてあったタオルの山を持って宮坂君たちのところへ。


「ただいま、あずちゃん!
今日はすっごく気持ちよかったよ!」


「梓、今日はこっちに来てたんだな。」


「あれ…兄さん!
珍しいね、陸上部に来てるなんて…」


でもユニフォームはサッカー部のもの。


練習抜け出してきたのかな…?


「ちょっとな。」


ぽんぽんと僕の肩を叩く。


「風丸センパイ、一本走りませんか?
僕、結構速くなったんですよ!」


「僕もみたい!
速水君も走って走って!
誰が一番早いのか知りたい!」


陸上部の3エースの疾風ダッシュ…


聞いただけでもうっとりしちゃう…


「いや、オレはいいさ。
宮坂と風丸の二人で走ってみろよ。
また今度みせてやるから、今日は我慢な。」


そういって速水君はちょっと屈んで僕の頭を撫でた。


「同い年っていっつもいってる!!」


確信犯は一番質悪いんだよ!!


「はいはい。
宮坂、風丸、スタンバイだ。
我が侭お嬢がお待ちだぞ。」


「我が侭じゃない!
お嬢じゃない!」


いっつもこう。


兄さんとは双子で、勿論速水君とも同い年って説明してるのに。


速水君は僕のことを年下扱いするし「我が侭お嬢」って呼ぶの!


「種目は100m、オレの合図でスタートな。」


速水君はスタートの合図用のピストルを構え、片手で方耳を押さえた。


「Lady...Go!!」


【パーン!!】


走り出す。


足音が心地よい。


宮坂君が速くなったとはいえ、やっぱり兄さんの方が速かった。


たった十秒ちょっとだけど、すごくわくわく出来た十秒ちょっと。


「ねぇ二人とも!
また…走ってくれるよね?」


「勿論!」


「今度はあずちゃんもね!」


「僕はみんなよりは遅いよ…」


現役陸上部のスプリンターたちには敵わないさ。
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