Soccer is my life!

□右目と家族
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「円堂君、いっくよー!!
『ミストシャワー』!!」


僕がはじめて編み出した必殺技。


この必殺技のお陰で『霧風の梓』とまで呼ばれるようになっていた。


まだ4年生から6年生のチームで、まだまだ上級生がたくさんいる。


今度の試合、僕はスタメンとして試合に出させてもらえる。


しかも今回はFW。


2トップだけど僕がもっとしっかりしなきゃダメだ。


「うわっ!!
流石梓だな…やっぱりとめられねぇや…」


「へっへーん!
僕もまだまだ負ける気がしないね!」


円堂君はこのチームの正GKじゃない。


6年生のお兄さんが今は務めている。


僕たち4年生2人組をよく可愛がってくれているんだ!


「次の試合頑張ってくれよな!
なんたって俺の引退試合なんだぜ?」


「暁兄ぃ!」


引退試合なんだ…


四年間ずっと僕らのゴールを守ってくれていたのに…


「あのね、お兄さん!
僕、頑張るから!
絶対に負けないからね!」


いろんな意味で僕の人生の大きな転機。


「おっそのいきだな!!
俺だって一生懸命守ってやっからよ!
んじゃ今日の練習はここまで。
気ぃ付けて帰れよ、チビども!!」


気がつけばもう練習が終わる時間。


「じゃあ僕も帰るね!
また明日学校で!」


タオルを片付け、ユニホームを脱いだ。


あ、下にTシャツ着てるから上に今日着てきた服を着るだけだよ!


「普段はあんなに女の子なのにな…」


「女子サッカー会の将来が期待できそうだな。」


河川敷の階段を登り、みんなに手を降った。


まさか、この練習が最後にはなるなんて思ってもみなかった…
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