Soccer is my life!
□秘伝書を探せ!
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朝。
「兄さーん!
朝ごはんできたよー!」
ご飯に味噌汁、だし巻き玉子をテーブルに並べながら、部屋にいるであろう兄さんを呼んだ。
今日のだし巻き玉子は見た目、味、ふんわり加減。
どれをとっても一番いいでき!
お弁当に入れたやつの残りだけどね…
「梓ー
髪ゴムの予備ってある?
切れちゃってさ、ほら。この通り。」
兄さんは切れた髪ゴムを僕に見せながら、困った表情でリビングに入ってきた。
「ん?
あるよーほら☆」
冗談のつもりでクマの飾りがついたゴムを渡した。
ピンク色のゴムにクマの飾り。
てかなんで僕もこんなの持ってたんだろう…
「……」
兄さんはそのゴムを受けとると、渋々髪を高く持ち上げ、縛ろうとした。
「ごっごめん!
冗談!嘘!だからそれで結ばないで!!」
まさかホントに受け入れるなんて…
「オレも冗談だ。
流石にこれじゃあ学校行けないし…」
「あはは…
はい、これ。予備の髪ゴムね。」
クマの飾りがついたゴムを受けとると、その代わりにオレンジ色の髪ゴムを渡した。
「ん、サンキューな!」
「今日夕ごはんの買い物のときに髪ゴム買ってくるね。
いつもの赤いやつでいいよね?」
兄さんは赤が好き。
だから髪ゴムも赤いの使ってる。
「あのさ、これからは食事とか当番制にしないか?
オレだって梓に頼りっぱじゃ…」
「んー考えとく…
さっ早く朝ごはん食べちゃお!」
家事のない僕の生活ってあんまり考えられない…
ゴメンね兄さん…
もう少しだけ考えさせて…?