Soccer is my life!

□練習試合。
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「円堂君!」


男子トイレの前を通ってたら円堂君がトイレから出てきた。


なんか掃除用具投げられながら。


「梓!
壁山、見つかって…ねぇな。」


円堂君は僕の周りをきょろきょろと見回したが、壁山君がいないことに気付いた。


「うん…何処にもいなくって…」


「きにすんなって!
次いくぞ!」


円堂君は僕の肩をポンっとたたき、階段を登り始めた。


「上の階はマックス達が探してたはずだ!」


僕も円堂君の後を追い、走り出した。


「いたか?」


「何処にも…」


「どこにいったんだ…」


「彼奴の行きそうなところは殆ど見たんだけどなぁ…」


壁山君と仲良しな宍戸君がいうのなら間違いない。


でも本当に何処へ?


【ガゴンッガゴンッ】


「んあああぁぁぁ!!
ロッカーが…さっきから揺れてるでやんすよ!!
うあああぁぁぁぁでたぁぁぁぁ!!!!」


栗松君は何かを指差して悲鳴をあげた。


…ロッカー?


「でたって…
こんな白昼堂々とお化けなんて…」


もしかして、壁山君が?


「そこにいるのか。壁山。」


円堂君はそっとロッカーをあけた。


「うわっ!」


壁山君が無理に入っていたから開けた衝撃で円堂君が吹っ飛んだ。


「どうも…キャプテン…どうも…どうも…」


「壁山ぁ…
なにやってんだよ…
早く出ろよ、試合始まっちまうだろ?」


僕達は呆れてため息をついた。


見つからないわけだよ…本当に。


「それがその…抜けられないンスよ!
助けてぇ!!」


出ようとしてるけど、スッポリはまっちゃってる。


「あ!」


こけた…


そのまま仰向けに倒れちゃった…


「少林!頼むぞ!」


「ほあぁぁぁ!!」


空中で3回転ぐらいしてからロッカーの端を蹴っ飛ばした。


【つる〜ん】


壁山君は少林君のお陰でやっと抜けられた。


はぁ。


やっと試合が出来るよ。


僕はほっと胸を撫で下ろした。
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