Soccer is my life!

□僕の日常。
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Side:一郎太


【キーンコーンカーンコーン】


チャイムがなった。


授業の担当の先生はそこで授業を終了し、クラスメートは「お昼ご飯だ」と騒ぎ始めた。


たしかにお腹が空いた頃だ。


オレは弁当箱を取り出そうと鞄をあけた。


「あれ…弁当が…」


がさがさと鞄をあさるが、教科書、ノート、筆箱…


弁当が入ってない…


「風丸ー!
弁当、一緒に食おうぜ!」


隣のクラスの円堂がオレのところにきた。


しかしオレには一緒に食う弁当がない。


「どうしたんだ?
まさか、弁当忘れたのか?」


流石幼なじみ…勧が鋭い…


「ああ。
そのまさかだ…」


めちゃくちゃ落ち込んだ。


今日は少しだけ急いでたからあの時忘れたんだ…


『兄さん!
お弁当、忘れてるよ〜!』


家を出るときに梓が何か言ってたのはわかった。


それがお弁当だったなんて…


「まーまー!
そんなに落ち込むなって!
オレの半分わけてやるからさ!」


円堂は優しいやつだ。


こんなオレに弁当をわけてくれるなんて…


「兄さーん!
今朝、弁当忘れてったよね?」


この声は…梓!!


「はいっ!
梓のお弁当便、確かにお届けいたしました!」


梓が手にしていたのは赤い手提げに入った――オレの弁当。


机の前まで来て、弁当を机の上に乗せた。


そしてにっこりと微笑んだ。


「ありがとう梓。
助かったよ!」


これで放課後の部活、精一杯できる。


「どういたしまして!
じゃあ僕、教室戻るから。
部活、頑張ってきてね!」


桜色のポニーテールを揺らしながら教室に帰っていった。


「よかったな!風丸!」


「ああ。」


オレたちは弁当を食べ始めた。
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