novel original

□愛の形
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「俺、罪歌になりたかった」
突然、臨也さんがそんな事を言い出した。



「何でですか…?」

「だって、罪歌は相手に愛を伝える為に、人を切るんだよ? 俺にピッタリじゃないか」



確かに、臨也さんの刃物の太刀筋だったら、前事件を起こした罪歌よりも格段に『子供』が増えていただろう。





「それに、こうやって帝人君を『ここ』にいさせる為に帝人君を切っても愛は伝わらない。だけど俺が罪歌なら、その行為さえも『愛』だったら、帝人君に行う全ての行為が愛になるじゃないか」




まるで讃美歌を聞いているような笑みをしながら両手を広げる。


その両手に、僕の血がこびりついたナイフを持って。





僕は、動けないように、死なない程度にキズを付けられ、臨也さんの部屋にずっといた。




「愛してる。他の人間よりもずっと…」
ベロリと刃物についた僕の血を舐め、恍惚とした表情をする。





嗚呼、でも、僕をキズつける事が愛ならば、もっとキズつけて愛して欲しい。



肌をさぎ、肉を削ぎ落とし、グチャグチャに。





それが、あなたの愛の形ならば










あとがき
臨也さんって、どんな喋り方…? ネットでは『ですょぉ〜』が、内緒モードでは『チッ』と舌打ちしたり…。
まぁいいか。臨也さんだし。臨也さんlove!!
 

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