マジックセブン
□17章〜ピースダイヤモンド〜
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「で、なんで俺達は今こうなってるの?」
「…わかんない。」
イライラ混じりの俺に困惑する涼。間に挟まれパニックの俊也。
今俺達は雪狼の群れに囲まれている。その数約10匹。ツンドラ気候の林が両脇に並ぶ道、何度か逃げようとしたがその度に回り込まれて逃げられない。
雪狼の気性が荒いのは、昨日のスラント山の一件で立証済みだ。
「戦うしかないか…」
俺がそう呟くと他の二人も身構える。
「カード!ブレイズ!(明るい炎)」
「インジェクション!(注射)」
「ネージュ!(雪)」
三人が各々の得意魔法を放つ。
ガウガウガウ!
雪狼達はそれを見ると一気に襲い掛かって来た。
「ストップ!(止まれ)」
雪狼達が一気に止まる。
「ダウン!(伏せ)」
狼達が一気に伏せる。
そして、林の中から一人の少女が出て来た。歳は俺達より少し年上。見た目は可愛いと思ったが、動き安いようにするためか、ボーイッシュな格好をしている。