マジックセブン

□2章〜SWW〜
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なんとも言えない変な気分だった。
ほうきは生きているかのようにクネクネと曲がり、俺達を運んだ。
意外に速いほうきに乗ったおかげで、俺は今一軒(?)の石造りのパブの前にいる。
このパブは増築に増築を繰り返してあって、全体像はわからない程大きいから、本当に一軒なのかわからない。

「さぁ、翔君こっちだよ。」

朝霧さんはなんのためらいもなく、その怪しげなパブに入って行ってしまう。
この訳のわからない世界で、一人になるのは嫌なだから、しかたなく俺も朝霧さんに続いた。

「朝霧さんお帰りなさい!」

中に入ると、耳をつんざくような声に襲われた。

「俊也、涼た・だ・い・ま〜」

先程の耳をつんざく声は、この俺と同い年ぐらいの二人のもののようだ。見た感じ(俺には理解出来ないが)、朝霧さんを慕っているらしい。

「ねぇ、朝霧さん。後ろの子は?」

俊也と呼ばれたジーパンにチェックのシャツを来た子が、俺を見て言った。

「うん、その…彼は、君と同じだよ…」

途端、俊也の表情が変わった気がした。
険しくというか、悲しくというか…


「そうか…とりあえず、座ろうか。」

によって、椅子を勧められて、俺は机を挟んで朝霧さんの向かいに座った。
俊也と涼もそれぞれ俺達の隣に腰掛けた。

「さてと、翔君。それじゃあなんでも聞いていいよ。」
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