原点の茶葉
□友達ロボット
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君達のいる世界から、少し先…
生活の中にロボットが普及した頃…
これはそんな時代の物語り。
「ロボット製造販売株式会社MACHINE(マチネ)が先日発売した、コミュニケーションロボットFriend(友達)の売れ行きが好調です。
このロボットは、身長140p、体重30sのアンドロイド型で、知能は中学生並、外見も内面も中学生そのもののコミュニケーションロボットです。
家に引きこもっている小、中学生を社会復帰させることに期待を持たれており、厚生労働省は特別支援を……」
「ピーーーッ!
Friend起動しました。」
「これであの子も出て来てくれると良いんだけど…
裕太!入るわよ。」
ガチャ
「やだよ!僕学校なんて絶対行かないからね!!
母さんが入って来るなり、僕はそう言い放った。
僕は吉野 裕太(ヨシノ ユウタ)。今、中学二年生。でも、今学校に行ってないんだ。
去年、父さんの仕事の都合で、今の学校に転校して来たんだけど…
どうやっても友達が出来なくて…
人が信じられない…
前の学校にはたくさん友達がいたのに…
毎日が辛い…
学校なんてもう行きたくないよ…
「そ、そうじゃないわ…ただ、ちょっとこの子と遊んで欲しくて…」
そう言って母さんが、入ってらっしゃいと手招きすると、僕と同じぐらいの少年が入って来た。
「だ、誰だよ?お前は?」
「アンドロイドのFriendってロボットよ。」
「ロ、ロボット!?」
僕は面食らってしまった。
「これから、一緒に生活してもらうからね。」
い、一緒に!?
「ちょっ、勝手に決め…」
「じゃ、仲良くね〜」
母さんはそういうとアンドロイドを僕の脇に残して、そそくさと出ていってしまった。
「オーイ!!」
ちょっ、いきなりこんなロボットと二人っきりにされても…
どうすんだー!!