原点の茶葉

□宇宙の鏡(ソラノカガミ)
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空がキレイだ。

ここは中学校の屋上。
今は昼休み。
…本当はもう掃除の時間だけど、僕は気にしない。
僕はこの時間いつもここにいる。
僕はここが好きだ。

-ダレモコナイカラ-

…だから僕はここが好きだ。
下のざわめきに巻き込まれたくない。
ただ、それだけ…


僕は菅沼 昴
この学校の三年生だ。
一人でいるとなんだか落ち着く。
そんなふうに想うようになったのはいつからだろうか…

『八年前 昴小一』

「すがぬま すばる!あんたきょう(今日)から、あたしのてした(手下)だから!」

この女、佐々木 優子
優子って名前なのにちっとも優しくない。

殴るわ、蹴るわ、初対面から人を手下呼ばわりするわ、物を盗るわ、隠すわ、おまけにドがつくほど音痴ときたもんだ…
例えるなら、そうジャイアン

そんな優子と、名簿が近いせいで席も近く、入学当初から僕の小学生ライフはどん底だった。

あっという間に優子がクラスを牛耳り、目を付けられた僕は、一人の友達も出来ずに、日々繰り返されるいじめに耐える日々だった。



その関係は今でも変わらず、優子は学校一のヤンキーに、僕は立派なパシリへと成長した。

フッと僕は笑った。
一人でいると落ち着くのではなく、一人でいないと落ち着けないんじゃないか?
実際、下に降りれば即、優子達にサンドバックにされるだろう。
教師の目が届きにくい、掃除中なんてもってのほかだ…

いつまで、ここにいればいいんだろう…

いつまで、堪えればいいんだろう…


そうして、また空を見上げた。

「やっぱり、キレイだ。」

今度は声に出して言ってみた。

そして、静かにまばたきをしてみた僕は、あまりのことに身を引いた。

空は、さっきとは違っていた。
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