マジックセブン
□4章〜複写の騎士〜
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「さぁーて、先ずは小手調べといこうか。」
ニヤリと笑った成茂は、どこからともなく取り出した本をめくりながら呟いた。
俺は成茂が本をめくっている間、頭をフルで働かせていた。
なんとか魔法が使えない俺でも、魔法使いの成茂に勝てないか?
別にこの勝負、絶対に勝たなければいけないといいことではないようだが、なんだかあの成茂に負けるのはしゃくだ。
そうこう考えている間に、成茂は本をめくるのを止め、腕を天へと突き上げた。
「先ずはコイツにしよう。ク、クリニス(彗星の尾)!」
成茂の拳から水色に光る魔法陣が広がり、そこから青白いボーリングの球のような物が発射された。
それは尾を引いて俺に向かって飛んで来る。
「ひ、ひぃ…」
俺は慌てて、横っ飛びに避けた。
「なんだい?大きいのは態度だけかい?
クリニス!クリニス!クリニス!」
今度はさっきよりも小さいが、三つも青白い球が飛んできていた。
「ヤバッ!」
俺は二つを避けたが、最後の一つを左腕にかすってしまった。
「って〜」