奥の茶葉

□探偵学園の卒業式(後編)
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警「被害者は山中治、58歳。職業学園経営。死因は胸を刃物で刺されたことによる出血死…」

今、俺は県警の警部から事件の概要を説明されている。
なんでも俺は、この学園での全課程を修了していて、探偵として活動してよいことになっているらしく、警部から是非にと頼まれたのだった。
なぜ、俺だけなのかというと、俺しかアリバイがないからだそうだ。
事件が起こったのは、丁度俺達がバラバラに動いていた時間。そう、俺が携帯をいじり、亜希葉がトイレに行き、裕紀が散歩に出ていた時間だったのだ。実はその時の俺は、ずっと監視カメラに監視されていて、犯行が不可能だったと立証されたのだ。他にも体育館の中にある監視カメラに在校生三人も写っていて、潔白が証明されたが、探偵としてまだ未熟ということで、俺だけに声がかかったという訳だ。
世紀の名探偵、藤堂圭一の名推理にお任せあれと言うと、警部は笑って、動き回っていたり、カメラの死角にいて、犯人になりうる容疑者や現場の状況を教えてくれた。
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