奥の茶葉

□探偵学園の卒業式(前編)
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キーンコーンカーンコーン…

一「では皆、行こうか。」

チャイムが鳴ると、担任の一城悟(イチジョウ サトル)先生が言った。まだ若く、髪を大人しめな茶髪にして髭を生やしているくせに、探偵学園の教師であるからかポケットには常に手袋を入れているチャラい教師だ。
皆と言っても教室には、俺を含め三人しかいない。今日は俺達の卒業式。俺達は、我等偵束探偵学園(テイゾクタンテイガクエン)の24回目の卒業生だ。
このまま会場である体育館に向かってもいいんだが、少し俺達の自己紹介をしておこうと思うんだ。
先ずは、俺。
未来の名探偵、藤堂圭一(トウドウケイイチ)。自分でいうのもなんだが、頭脳明晰でこのクラスのトップ3に入る程なのだ。

亜「元々三人しかいないでしょ!」

圭「痛っ〜!」

な、なんで俺の心の声が…
今、俺に突っ込んできたのはこのクラスの紅一点、清水亜希葉(シミズアキハ)。
俺と裕紀には理解出来ないことだが、学園中の(といっても全校生徒は六人だが…)生徒だけでなく、教師までも虜にする美貌を彼女はもっている。
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