マジックセブン

□20章〜高尚な交渉?〜
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俺は瞬時に身構えた。目の前に現れた男は、人の形をしていたが、魔生物だろう。その証拠に牙からは絶えず血が滴っている。そして、魔生物なのに人の言葉を話せる。俺はスラント山での人魂狐のことを思い出していた。人語を話せる魔生物にロクなのはいない…

「美姫〜、今回も私が交渉しちゃって良いかしらん。」

俺の警戒をよそに、軽い口調で華蓮さんが現れたヴァンパイアから眼を離さずに言う。

「ええ、お願いするわ。」

美姫さんがやや緊張して答える。

「珍しいわねヴァンパイア。こんな樹海の浅い所まで出てくるなんてん。私はてっきりドラキュラと樹海の真ん中で赤ワインで乾杯してるものだと思ったわ。」

俺はヴァンパイアとドラキュラって何が違うんだ?と思いながら、このやばそうな二人の会話を聞いていた。

「そうしておりましたとも、華蓮様。しかし、こうも私の管轄内で私の部下が次々とやられてしまっては、私も無視は出来ませんのでね。」

ヴァンパイアがやれやれと言った感じで首を振る。
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