原点の茶葉
□変人倶楽部
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ある夕暮れまた今日も僕の冴えない一日が、冴えないまま、
終わるはずだった
「こ・ん・に・ち・は」
「えっと…あ、あの…」
「あはは、驚かせちゃいましたか」
えっと、ぼ、僕の名前は山上翔太気弱で後ろ向きな中学一年生
学校の帰り道でなんだか変な人に呼び止められちゃったんだけど…ど、どうしよう。
「始めまして、私は変人倶楽部の者です。」
「………へっ?」
「変人倶楽部です。」
た、確かに目の前にいるのは変人以外の何者でもない。緑のスーツを着てるのになかは赤のワイシャツ。ネクタイは濃紺に大きな星の刺繍が入っている。おまけにステッキを持って、アメリカ国旗の柄の帽子を被っているこの人を変人と呼ばずに一体誰を変人と呼ぶのだろう。
「あ、あのそれでそのヘンジンクラブが何のようで僕なんかに…」
「実は私、貴方様をスカウトしに来たんですよ♪」
「ス……は、はい?」
「スカウトですよ。スカウト♪私ども変人倶楽部に山上翔太様、つまり貴方様に入って頂きたいのですよ。」
「…えっ、え〜〜〜」
なっ、何を言っているんだこの人は…?
「今、ご加入頂けばプラチナ会員としてご優待。」
いや、そういうことじゃなくて!
「年会費は無料!さらにサロンも使い放題!」
そもそも変人倶楽部なんて入りたくないよ。第一何で僕なんが…
「もちろん、変人倶楽部には誰でも入れる訳ではありません。一定の規準を満たした筋金入りの変人でなければ…」
余計入りたくないよ!
「さあ、翔太様。いや、翔太君。もちろん変人倶楽部に入るよね!」
「っ………」
な、なんか凄い迫力
「ねっ!」
「……」
断ったらただで帰れないかも…
「は〜い〜る〜よ〜ねっ」
「…」
こっ、恐い
「ハ・イ・ル・ヨ・ネ」
「………………………」
「……っ…は、はい…」