新しい茶葉
□よみがえり
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あ〜〜〜
寝み〜〜〜〜〜…
俺は伸びをした。
ったく…折角寝たばっかだったのによ。
無理やり起こされた俺は不機嫌だった。
誰だよ?人の心地のいい眠りを邪魔した奴は?
俺はボリボリと頭をかく、数本髪の毛が剥がれ落ちたが気にしない。
「キャーーー!!」
俺の目の前で1人の女が両手に抱えていた果物を、悲鳴を挙げながらボトボトと落としてゆく。
うるせえなあ。人の前で甲高い声挙げんなよ。
俺はその女にゆっくりと近づき…
その頭をぐしゃりと握り潰した。
っはん!俺の寝起きに居合わせたのが悪かったな。
そこで俺は初めて周りを見回す。周りでは俺と同じように今目覚めた奴らが、嬉々として他者を襲っていた。
―黄泉帰り―
街の者達は俺達をそう呼んだ。昨日……そう昨日何事も無ければ、俺もあの連中に紛れてギャーギャーと奇声を挙げているだけで良かっただろうに。
ふあああ………
俺は大きな欠伸を1つした。
ああ、寝みー…すこぶる……眠たい。
でも、起きてしまったものは仕方がない…
とりあえず、アイツ等に昨日の礼でも死に行くか?
穴だらけの教会墓地に動くモノはいなくなった。後にはただ鐘の音だけが鳴り響いていた。
END