新しい茶葉
□年上のアイツは同級生
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「わかった、わかった。使え。」
俺が今学期分の入ったファイルを出すと丹羽は笑顔でそれを引ったくった。クソッ…役者め!!
「あ、そうだ牧野。」
「あ?」
おどける丹羽に、不機嫌に応えるオレ。
「Happy……Birthday。」
「んっ…」
顔に押しつけられたのは…タオル?
「そんで、部活でも頑張れ。」
一瞬……丹羽が年上に見えた。コイツは部活…出来ないんだよな……
「…ありがとな。」
「と、いう訳で数学も見せ……」
「待てい!」
―――――――――――
後日
オレはクラスの女子に、バレンタインのお返しで渡すクッキーを一袋余分に用意した。
「丹羽、この前の誕プレのお礼。」
「えっ、何!?牧野って、そういう趣味!?俺、期待しちゃうよ?」
「キショイ、馬鹿!!」
オレの腕が空になるのと同時に、クッキーの割れる小気味良い音がした。
―終―