utpr/short
□chocolat orange/my honey
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今日も朝はやって来る。
「やあ、レディ。おはよう。今日も麗しいね」
何気ない素振りで近づき、にこやかに微笑みかける。それはいつも通りのこと。
そしてどんな言葉が返ってくるかは、もう決まっている。
「レン、おはよう。今日も早いね」
いつも通りそう言って微笑む彼女の声は、瞳は、いつも変わらず優しい。
だから俺もいつものように、「普段の俺」を装って片目をつぶってみせる。
「そりゃあね。朝一番に、君に会いたくてさ」
けれどどんな甘い言葉も、彼女には決まって一蹴される。
「もう、またそんなこと言って」
私にそんな冗談は通じないんだからね！
ちょっと強気な笑みでそう答える彼女。
冗談なんかじゃない。いくら俺がそう囁いたところで、
彼女の返答が変わることはない。
「…あ！」
刹那、きらりと輝く彼女の瞳。幾度それを見ただろう。
そこにはもう、俺は映っていない。
「マサ！」
脇を駆けていく彼女の後姿。追いかけたくなる衝動を抑え、目を伏せる。
背後から聞こえてくる、楽しそうな会話を耳にしながら、
それでも決して振り返ることなく、ひとり教室へと歩き始める。
昨日と同じ。
今日もまた、変わらない１日が始まった。