書庫1
□宵闇
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朝は来ない。
夜が満ちた。
けれど、光るものがある。
夜空に浮かぶ無数の星達。
それなら、食べてしまおう。
疑いようのない漆黒の闇を造るために。
さあ、浮かぶ星を手にとって。
眼を閉じたなら口に運ぼう。
…誰かが、言ったんだ。
光り輝くものが『希望』だって。
ボクは絶望という名の暗闇だから。
中途半端な『希望』なんて、ボクには必要ないはずだから。
……だから。
閉じた瞼から涙が滲んで、キラキラ光って落ちていく。
止めようとしても止まらなくて。
悲しくなんてなかったのに。
涙さえ止まれば、本当の夜が来るのに。
…どうしてかな、朝が来る、気配がする。
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