Long2
□約束
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「動くな!!」
まったく。
これだから治安の悪い町は。
そう思い、アラウディはイライラに顔をしかめた。
宿に行こうとしたとき、偶然誰かにぶつかったと思えば体を捕らえられ・・・
そのまま人質にされた。
頭に銃を当てられ。
もちろんアラウディはこんなところから数秒で抜け出せる。
だが、下手すればもう一人の人質が危ない(別にどうなろうと知ったこっちゃないのだが。)
それに、こいつらを抑えるために自警団は動くだろう。
そう思って、アラウディは大人しく人質になっていた。
「くそっ・・・くそっ・・おまえさぇいなけりゃ。」
ア「・・・・・・」
「ヒック・・・ヒック・・・お母さーん。」
犯人はだいぶ焦っているようだ。
周りに人がいたにもかかわらず、男のアラウディを人質に取るぐらいなのだから当然だ。
だが、もう一人の人質は子供・・・女の子だ。
危険には違いない。
ア「ふぅ。(面倒なことは嫌いなんだけど・・・)」
「てめっ。さっきから落ち着いた顔しやがって・・・むかつくんだよ!!てめぇガキもいつまでもないてんじゃねぇ!!」
「ビクッ!!)」
ア「・・・子供相手にキレるなんて情けないね。」
「あ゛ぁ゛?」
ドガッ!!
そのとき、扉が急に木っ端微塵に砕けた。
何事かと犯人が目を見張っていると、もくもく灰色の煙の中に人影が見える。
「何をしておるのだ貴様!!究極に人質の安全が第一だろう!!」
「うるせぇよ!入れたんならいいだろーが。この犯人馬鹿だからどうしようもねぇっての。」
「まぁ、Gのいうことも一理あるでござるな。けれど、これで人質に傷でもついたらどうするでござる。」
中に入ってきたのは3人の男だった。
短く切られた黒髪だが、きている服は神父のような男。
赤髪にシンプルなシャツを着、こんな状況にもかかわらずタバコをのんきにすっている男。
烏帽子を被り、ジャッポーネの服を着ている男。
どうやら、犯人を捕まえに来たようだが・・・緊張感がまるでない。
「って、てめぇら!!こいつらがどうなってもいいのか!!」
「あ゛?別にどうなっても「バシッ!!」ってーな!!なにすんだよ!」
「どうでもいいわけがないだろう!さっさと助けんか!!」
「お前がやりゃぁ、いいだろ。」
「それじゃぁ、間を取って私が。
あー君たちは完全に包囲されてるでござる。抵抗を止めて今すぐ出てくるでござ「アホかてめぇは!!時代劇のみすぎなんだよ!!」やってみたかったのでござる・・・」
ア「・・・・・(イライラ)なんなの・・・君たち。」
いまだ泣いている子供。
助けに来たはずなのに喧嘩している誰か。
「なにやってるんだ・・・お前らは。」
そのとき、もう一人入ってきた。
煙で見えない姿は次第にはっきりとしてくる。
「ボンゴレ・・・プリーモ・・・」
「さて、さっさと終わらせてくれるか?こんな茶番劇。」
「ひっ・・・」
一瞬だった。
ボンゴレプリーモと呼ばれた人間は驚くほどの速さで・・・どうしたのだろう。
気付けば、犯人を捕まえていた。
「ひっく・・・ひっく・・・」
ア「・・・いい加減泣きやみなよ。助かったんだから。」
「う゛ぅっ・・・」
ア「まったく。」
「クソッ!!離せ!!」
「っ!!危ないっ!!」
「うおぉおおおおお!!!」
ハァ
小さなため息が漏れた。