Long2
□デザートは食事の後に♥
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「はぁ・・・はぁっ・・・」
暗闇をひとつの影が走る。
息を乱しながら、足を無理やり動かし後ろから追ってくる影から逃げていた。
けれど、少年の人並み以下の足の速さでは逃げ切れず・・・
「ぐえっ!」
すぐに首元を押さえつけられ近くにあった木に押し付けられてしまう。
何とか逃げ出そうと、首にある手を握るがまったくその手は動かなかった。
相手の目は・・・この世のものとは思えないほど真っ赤に染まっていた。
「ひぃっ!」
口から覗く牙にビクリッと少年の肩が跳ね上がる。
男の吐く息が首に当たってもう逃げられないのだと体を強張らせた。
ドガッ!
そして、何かが倒れる音と何かで殴られたような音が耳に入る。
「僕の敷地内でいい度胸だね。」
「ひっ、雲雀さぁん!!」
「まったく。毎度毎度、よくやってくれるね。沢田綱吉。」
「す、すいません・・・」
「ほら、早くたちなよ。」
「こ、腰がすくんで・・・・」
目じりに涙を浮かべ、上目遣いでその場に座りこんでいる綱吉に雲雀は溜息をついた。
そもそも、何故自分がこんなことをしなければいけないのか・・・
その答えが見えないことに未だいらつきがおさまらない。
理由らしき理由があるとすれば・・・
この少年の特異な体質からだろう。