Long2

□この感情に名前をつけるなら
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・・・・え?

スイマセン コレハドウイッタジョウキョウデショウカ?


努力むなしく倒れた俺・・・の下には雲雀さん。

俺の目は驚きで丸くなっていることだろう。

珍しいことに雲雀さんも大きく目を見開いている。


なんで・・・なんで・・・

なんで俺と雲雀さんキスしちゃってるのー!?
(といっても唇が触れているだけ。当然だろ!!?)



「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」



すぐに俺は雲雀さんの上からどいた。

思ったよりも冷静に頭が自体を理解していて(と言うよりもあまりのことの大きさに許容範囲を肥えていて。)

とりあえず、咬み殺されないようにどいた。


怖い・・・無言の視線が怖いー!!

とりあえず俺は全力で謝った。

土下座した。

額が地面(アスファルト)にくっついてすりむけるくらい頭を下げた。



すいません!本当にすいませんでしたっ!!

「・・・・・・・・・・・・・・。」

「この通りです!どんなお詫びでもするので咬み殺すのだけは勘弁してください!!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

「っっ〜〜!!」

「・・・ねぇ、顔あげて。」

「は、はいんむっ!!?



え・・・・・

なんで・・・なんで・・・

なんで俺と雲雀さんキスしてるの?

え?コレハジコデスカ?


クチュッ



「っ!?ふっ・・・あっ、んんっ」



頭がくらくらする・・・って生暖かっ!?

え、なにこれ・・

まさか、舌ー!?


クチュクチュ



「やぁっ・・・ん・・・ひばりっ・・さぁん・・」



ぐいっと腕を引っ張られ強く唇を押し付けられる。

口の中で温かい舌が動き回った。

なんていうか、歯をなぞられたり舌を吸われたりその感覚に背中がゾクゾクッとする。

ゾワゾワッといってもいいかもしれない。


顔が熱くて・・・体全体が熱っ・・・

いつの間にか体から力が抜けていて、俺を支えているのは雲雀さんだった。


っていうか腰の辺りにある手が・・・変ッ!



「はぁ・・・・ん、はっ・・・」



や、やっとキスが終わって俺は深い溜息をついた。

体から力が抜けていく。

顔が熱くて頭はくらくらするし、なんかぽわーんだし、涙で前が歪んでる・・・

も、わけわかんない!!はぁ!?



「うん。こっちのほうがいい。」

「あああああのおぉおおお!雲雀さん!?急に何するんですか!!」

「なにって・・・・なんだろうね?」

「はいー!?」



何真面目に分からないような顔、っていうかキョトンとしてるんですか!?

可愛いんですけど!!(おかしくなってきた)



「っ、なんで急にキスなんか・・・」

きす ?魚?」

「はぁー!?あんたがいましたでしょうが!」

「?」

「俺の唇と雲雀さんの唇が合わさったあれです!!舌までいれてー!!」



顔から火が出そう・・・

何の羞恥プレイ!?セクハラ!?嫌がらせ!?

なんてこといわせんだー!!



「へぇ。あれキスっていうんだ。もう一回しよ。したい。」

「い、嫌ですよ!!なんでそんなこと!!」

「気持ちよかったから。」

「気持ちっ!?って腰に手を回すなー!!



慌てて手を引き剥がし雲雀さんから離れる。

本当に!この人の思考回路どうなってんだ!?

睨んできてるけど、俺の童貞?に危険が迫っている気がするから怖くない!(本当はかなり怖い。)



「なんで逃げるの。」

「何でって、普通逃げます!明らかにおかしいですからね!?俺は男ですよ!?!?」

「知ってるよ。馬鹿にしてるの?」



急に不機嫌!?

トンファー出さないでください!!



「男同士でキスなんてしないでしょう!?気持ち悪いですよ!!」

「僕は気持ちよかったけどね。」

「なぁ!!」



さらっと言うなー!!

かぁぁと顔が熱くなっていくのを感じて、思わず服で頬を隠した。

も、体全体が熱いっ・・・・



「顔真っ赤。」

「っ!!」

「ねぇ、もう一回させなよ。もう一回したい。」

「嫌です!雲雀さんおかしいですよ!!熱でもあるんじゃないですか!?俺とキキキスしたいなんてっ・・・・」

「君だって気持ちよさそうにしてたじゃない。漏れた声、すごいエロスティックだったね。ゾクゾクした。」

「なっ、なっ!!」



まさに開いた口がふさがらない。

何か言おうと思っても、思ったように声が出せなくて口がパクパクしただけだった。

落ち着け俺、冷静に考えるんだ。

ふぅぅと深呼吸して、俺は雲雀さんを見る。



「ていうか、雲雀さんは俺のこと好きなんですか?ないですよね!?そんなこと絶対ないですよね!?」

「鋤?農具?」

違ぇー!!(ていうか農具!?なにそれ!!)」



天然!?雲雀さんって天然なの!?


・・・・でもよくよく考えると雲雀さんがそんなこと知ってるはずないか。

戦うこと以外興味なさそうだし。

好きな人とか初恋とかと絶対無縁そう・・・。



「そのキスはですね、恋っていうか愛っていうか・・・好きな人とするものなんですね!」

「ふぅん。」

「雲雀さん、群れるの嫌いですよね?」

「うん。でも、君といるのは嫌じゃないよ。小動物だから。」

(小動物って何ー!?) え゛・・・・」

「もっと抱いてたいし、キスもしたいな。」

「えっ、え?」

「うん。僕は君のことを 好き なのかもしれないね。」



えぇー!?

一人納得したような顔で頷いてはいるけど・・・俺はまったく持って今の現状を理解していない。

むしろ理解なんてしたくない。

したら終わりだ。



「君さ、さっきなんでもいうこと聞くっていったよね。」

「・・・・・はい。」

「じゃぁ、キスさせて。」

「へ?」

「ほら、早く。」

「雲雀さん、俺の話聞いてました?キスは好きな人とするんですよ?」

「うん。」

「残念ながら俺は雲雀さんにそのような感情を持ち得てはいません。」



ずいぶんハッキリ断った自分を褒めてやりたい。

トンファーで咬み殺されるとかはもう頭から抜け、どうすればこの状況を打破できるか・・・

少ない知識を総動員させたけど、まったくいい案が思いつかなかった。

とりあえず、もう少し雲雀さんと離れておこう!?



「ひ、雲雀さん!?」

「煩い。耳元で話さないで。」

「は、離してください〜!!」



なんで俺雲雀さんの腕の中〜〜!!?

じたばたもがくけど、俺程度の力じゃ歯が立たないようで、雲雀さんが力を弱める様子はまったくない。



「君、お昼は?」

「え?た、食べましたけど・・・」

「そう。じゃぁ、キスはいいからこうしてて。」

「は、え??」



俺を抱きしめたまま、雲雀さんはごろんと横になった。

そのまま目を瞑り・・・・・・・寝た?

え?だってこの人葉っぱの落ちる音でも目が覚ますんじゃぁ・・・

やばい 咬み殺される!

俺はなるべく呼吸しないようにして、とりあえず抱かれていた。

でも、目の前が雲雀さんの胸っていうのは窮屈で・・・少し顔をあげれば端整な顔立ちが目の前に・・・ドアップ!!?

なぜか顔が熱くなる。




「っっ!!」



やっぱり、雲雀さんはカッコいいな・・・

いや、恋とかじゃなくて!!

憧れるっていうか・・・・うん。俺と比べたら・・っていうか比べるのすら失礼だ。




「ん・・・・」



とりあえず、キスされることはないようだし

抱きしめられている上、春という暖かな気温。俺はだんだんと体がだるくなり。



「zzz」



いつの間にか眠っていた。
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