Long2

□この感情に名前をつけるなら
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ザワザワザワ


騒がしかった廊下がひときわ煩くなったかと思えば・・・人がいなくなったのでは?と思うほど静かになった。

それに不気味なものを感じるまもなく、ドアが開いて雲雀さんが顔を覗かせたのだから固まるしかない。

え、なんで!?



「沢田綱吉。」

「は、はいー!?



何 故 俺 の 名 前 を 呼 ぶ

声がひっくり返り、無意識の内に体が後ろへのけぞった。

絶対に近づきたくない!!

そんな心とは裏腹に、体は即座に立ち上がり雲雀さんのところへ走っていったのだから・・・

俺がパニクル頭で理解していたたった一つのこと。

早くいかないと咬み殺されるー!



「な、何の御用でしょうか・・・?」

「うん。ちょっときなよ。」

「はい!?ぐぇ!



反論するまもなく、わけを聞くまもなく・・・

俺はずるずると引きずられていった。


いったい何!?

というか苦しっ!苦しいんですけどー!?



「苦しっ!雲雀さん、苦しいです!!」

「あぁ。」

ぐえっ!



ガンッ!


急に手を離さないでください!!

頭が思いっきり廊下にぶつかって痛いっ・・・ってあれ?アスファルト?

俺はいつの間にか屋上にいたようだ・・。

通りで痛いはずだよっ・・



「さ、やろうか。」

「やろうかってなにを・・・え?なんで起ってるんですか?

「欲求不満?」

何する気だー!!



信じられない!風紀が完璧に乱れてるだろ!!

雲雀さん何考えてんだ!?



・・・・・・・ないないない。

だって俺男だし。

いくら女の子に見えようとも、普通の男より身長体重全てにおいて平均以下でも

胸はないし、あれはある。俺は男だ。



「さっさとすませよう。」

遠慮します遠慮します!俺にソッチの趣味はありません!!」

「君の意見なんて聞く気ないよ。」

「横暴だ!!」



チャキッ


・・・・・何故トンファー?


え、え?ちょ・・・

最初からなにする気なんですか!?



「無理です無理です!!」



そんな俺の言葉なんて無視して、雲雀さんはまっすぐ俺に向かってくる。


え、何?やるってそっち?

え?じゃぁ・・・

なんでそんなに起ってるの!?

なんで雲雀さんの息子そんなに元気なの!?



「ギャァァアアアーー!!」

逃げるな。

「逃げます逃げます!!逃げるに決まってるじゃないですかぁああ!!」

「それじゃぁ、面白くない。」

「そんなこと言われたって、今の俺じゃ戦えませんー!!」



っていうか、仮に死ぬ気でも死ぬー!!

今、死ぬ気弾撃たれたら俺即逃げるな。

リッボーン!死ぬ気で逃げるー!だな!!


けど、一向にリボーンが現れる気配はない(俺にリボーンの気配を察知するなんて無理だろうけど。)

リボーンの馬鹿やろー!!



「ぁ、」

「は?」



あ、足が・・・転ぶー!!?


なにもないはずの場所でつまづきそうになって、慌てて体勢を立て直す。

ホッとしたのもつかの間




「うわぁああああ!!」



今度は後ろから引っ張られてるように体がのけぞって・・・

しかも、なぜか体が雲雀さんの方を向き・・・


ドッテーンッ!


そのまま倒れこんでしまった・・・・!?!?
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