Long

□With Good-Bye
2ページ/11ページ

ツナの顔から笑いが消えた。

骸も手を止め、何事かと辺りを見回す。


鐘がなるのは非常時だけだ。

ツナも、この中で最年長の骸も一度として聞いたことはない。


ツ「なっ・・・・何・・・?」

山「これ、非常時にしかならねぇはずだよな・・・。」

獄「悪戯とかじゃねーのか?」

骸「それはないですよ。この村の掟ですから。」

ツ「ってことは・・・・何か、あったって・・・こと・・!!」


5人は村に向かって走り出した。

ガンガン鳴り響く鐘の音が大きくなるたびに心臓が高鳴る。

不安で心が揺れ動く。


ハァハァ息を切らして着いたそこは・・・・火の海だった。


ツ「なっ・・・に、これ・・・」

家「お前ら!!早く逃げろ!!人間がっ・・人間が攻めてきたんだ!!

9「早くいきなさい!!」



慌てて駆けつけてきた家光と9代目は傷だらけだった。

それでもなお、戦おうと体を張っている。

逃げている村人を助けながら。



家「ツナを・・頼んだぞ。」

ツ「っ!父さん!!?」



ぽんと置かれた手のぬくもりが頭から消えていく。

家光はひしと骸、獄寺、山本を見据えると火の中へ飛び込んだ。

慌てて後を追おうとするツナを骸がとめる。

ツナはそれでも抜け出そうと暴れもがくが、骸は離さない。



ツ「骸!!離してっ・・父さんが!!」

骸「落ち着きなさい!君は早く逃げないと。」

山「あぁ。ツナ、いいたくねーけど、お前はまともに戦えねーだろ。

ツ「っ!それっ、は・・・」

獄「こんだけ酷けりゃぁ、怪我人もいっぱいいるはずっスから10代目はそっちのほうへ。」

ツ「っ・・うん・・」



ツナは抵抗を止めた。

3人の言っていることは正しい。

ただでさえ力が弱いツナだ。戦場にいけば足手まといになるに決まってる。

それよりは、一緒に逃げてボンゴレ10代目としてみんなをまとめ、怪我人を逃がしたほうがいい。


理屈は・・・分かる。


それでも、



ル「綱吉!!」

ツ「! ルーチェ先生!!」

ル「リボーンを見なかった!!?」

ツ「えっ、見てませんけど・・・。」

ル「そうっ・・・」



ルーチェは息を切らして走っていた。

ツナの答えを聞き、すぐ別の場所にいこうとしたが獄寺がとめる。



獄「お前は怪我人のところに行けよ!!」

山「そうだぜ。小僧なら心配ねーって。」

ル「離してッ!私はリボーンを・・・」



バンッ!!


音がして

気付けば大きな鉛玉が向かってきていた。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ