チビJ長編

□擦れ違い
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今時間は夜の12時。
夜中の賭場(非合法)には似つかわしくない子供が一人。

ハニーブラウンの長い髪にルビーの瞳、白い肌−−−まるで人形のような美しい姿をしている子供…歳は5〜6歳であろうか。

彼はガイラルディア・ガラン・ガルディオス伯爵家が子息ジェイド・バルフォア・ガルディオス。
子息とはいっても養子であるが……

ジェイドはこういった非合法の場へ行き男でありながら男を漁る。
自身の身体を最大限に利用して男の家へ転がり込むのだ。
そうして男の家を点々とし、ガルディオス邸にはもう1週間以上帰っていない。

一人の女性がジェイドに話し掛ける。
するとジェイドはニッコリと笑ってポーチから粉薬の入った袋を数個出す。
「えっと2グラム入りの袋5袋で5万ガルドですね」
そういって薬を女性に渡し金貨で代金を貰う。

金貨を数えてからジェイドはポーチにそれを入れた。
ジェイドが持っているのは違法薬物。
マルクトで禁止されているものだ。
ちなみにジェイドお手製。子供とはいえディストと並び称される天才。
このくらいの芸当はどってことない。

ジェイドは無駄に頭がいいため自分の作った薬物が表立って問題になる前に種類を変えてしまう。
そのためピオニーも薬物汚染問題に頭を悩ませていた。


その夜ジェイドは他の客にもそれを売り結局その日は数十万ガルドを荒稼ぎした。


「今日はまとまったお金の入った事ですし、一度ガルディオス邸に帰りましょうか…」

そういってジェイドは一週間振りにガルディオス邸へ帰った。


「はぅぅ…」

ここはジェイドの部屋のベッド。
一週間振りのベッドにジェイドは穏やかな笑顔を浮かべる。
2〜3時間程仮眠を取ったあとすぐに屋敷を出ていった。

ガイはジェイドが帰って来て出ていったのは知らない。




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