世界一&純情
□終わらない恋になれ
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「んっ……」
眠りから覚めてまず最初に目に入ったのは程よい筋肉がついた上半身。視線を上げればそこには眠っている高野さんがいた。
時計を見上げれば、6時を指す頃だ。
よくよく思い出せば、昨日は高野さん家に止まってその流れでヤッてしまった。
あの人にしたいと言われれば、それを否定する事が出来ない自分がいて……。
今更なんだろうけど、俺はこの人にゾッコンなんだろうな。
俺を抱きしめるように寝ている高野さんの寝顔は穏やかで、俺はその顔を隠す髪を触ってみればサラリと流れる。
「ん……律…?」
瞳を開いた高野さんに俺は思わず触っていた手を話す。
「あっ、すみません。起こしちゃいましたか」
俺を抱きしめる腕がソッと頭を撫でつける。
「いや、平気。今何時?」
「いまは6時ですね」
6時かよと呟いた高野さんは俺をさらにギュッと抱きしめてきた。俺は高野さんの首筋に顔を埋める状態になり、顔が熱くなるのが分かる。
「なら、もう少し寝ろ…。起きたらメシ作ってやるから」
「あっ、はい…」
「律……」
「はい?」
名前を呼ばれてドキリとする。俺が少し顔をあげて見れば高野さんとバッチリ視線があった。
「好きだ」
「…はい、俺も高野さんが好きです」
自然にキスをして、高野さんが俺を抱きしめて眠ったので高野さんに寄り添って目を閉じれば睡魔がやってくる。
こんな風に側に入れれば俺は何もいらない。
こんなにドキドキするのも、こんなにも嬉しいと感じるのも高野さんにだけでいい。
願わくば、この恋が最後でありますように
20110705