和のお話
□彩柚楼閣の朝
1ページ/3ページ
・・・ここは、とある裏道・・・。
『彩柚楼閣』という、でっかい楼閣がありました。
「・・・ん? お前、誰?」
この方が、『兜菊』の頭の、曠彌。
・・・あ、これ、鑑札です。
「本物だな。 通っていいぜ。」
この人の目は、いいですよ。
何せ、『千里眼』の持ち主ですから。
お疲れ様です。
「おう! 自分なりに過ごしていきな!」
さあて、楽しげな音楽が聞こえてきましたよ。
「おや、お客さんですか?」
舞を舞っていた青年が、扇を持ったまま、近づいてきた。
「新しい方ですか・・・。 ・・・え? 濤覇の部屋ですか?」
そうなんですよ。
それで、この手紙を・・・。
「濤覇が、渡すなんて・・・。」
面白そうに笑う。
取り次いでくれたらしい。
「・・・待ちくたびれたぞ。」
主人公の『波籠』、濤覇さんです。
これから、本編でございます。
「・・・消えやがったか・・・。」