折原家2

□色々詰め合わせ
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注意書き

タイトル通り、詰め合わせです。

話が繋がってないかもしれませんが、まあ詰め合わせって事で読んでもらえると嬉しいです。


<色々詰め合わせ>


1月下旬 新宿某マンション

愛子視点


『♪』

「「♪」」

「…………」

『どうしたの、パパ。そんなに不機嫌そうな顔して』


もう少しで私の友人であり、子供達の憧れである人―――平和島静雄さんの誕生日だ。

その為に色々と準備をしているのだが、旦那はそれが気に食わないのか不機嫌そうな顔をしながらこちらを見つめており、私達が何をしようとしているのか解ってしまったようだ。


―――静雄さんにプレゼント、なんて話して無いのになぁ……。


「どうせ、シズちゃんの誕生日プレゼントにあげるんだろう?いいじゃないか、君達がわざわざそんな事をしなくてもさ」

「いつもおせわになってます、ってあげるんだからパパにはかんけいなーいっ」

「とーともシズちゃんにプレゼントすればいいんだよ!」

「何で俺が、大嫌いなシズちゃんの為に自分のお金を使ってまでプレゼントを渡さないといけないわけ?」

『二人共、パパがああいうのはいつもの事でしょ。パパには後でケーキあげるから、我慢してください』

「ケーキで俺が機嫌よくなると思ってるの?俺はそんなに単純じゃないけど」


―――あーっ、もう、面倒臭い人だなぁっ!


同じようにケーキをあげると言っているのだからそれで許して欲しいものなのだが、それだけでは満足できないらしく、

グチグチと[ケーキなんていらない][甘いの好きじゃないし]と言い続けている。


「もっとシズちゃんにはないものを俺にも頂戴よ。誕生日だからって贔屓しないでよ」

『…………』

「……何?……っ!……君ってシズちゃんの為なら何でもやるの?」


心の底から面倒だと思いつつ、黙らせるには一つしかないような気がしたので手を洗って彼が座る椅子へと向かい、

顔を近づけ、そのまま触れるだけのキスをすれば、まさかキスをされるとは思っていなかったようで驚きと呆れが混ざった顔をしている男。


『何でも、はやらないよ。ていうかこんな事、パパ以外やらないし』

「でも君は俺を黙らせる為に、認めてもらう為にキスをしたじゃないか。それってそういう事じゃないの?」

『全然違うっ、パパには解らないよーっだ』


彼―――折原臨也が言っている事は当たっている。

だが、だからといって全てが当たっているわけでもないのでそっぽを向き、元の位置に戻っていけば[俺には分からないよ]と呟く臨也の姿があった。


「パパってどうしてあんなにしずおさんのこと、きらいなのかなぁ」

「シズちゃん、かっこいいのにねー」

『ねー。……まあ私達にはきっと理解できないんだよ、パパの気持ちなんてさ』


あんなにも優しく、頼りになる人を嫌う理由なんてきっと臨也にしか解らない。

それに私達よりも長く静雄さんに触れ、そして喧嘩してきた。それに大怪我もさせられたし、ある意味トラウマになるレベルだろう。

でもだからといって彼は態度を改めるような事はしないし、できるだけ会わないように仕事もしている。


―――仲良くしろ、とは言わないけどね……。


壊滅的に仲が悪いのだ。

怪我をさせられ、そして人間的にも嫌いな部類に入る静雄さんをきっと彼は一生認めない。だからこそ、私達にもそれを強要しようとしているのだろう。

まあだからといって、私達が素直に言う事を聞くとは思っていないようだが。


『よし、でーきたっ、良い感じじゃない?!』

「ママ上手―っ」

「すっごくおいしそーっ」


苺をたっぷり使った特性ケーキ。

甘いものが好きなので生クリームも甘めにしたし、チョコの部分には[おたんじょうびおめでとう]という字も書いた。
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