折原家2
□臨也vs折原
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思いついたら書かなければ気が済まない病な私です。思い通りに書けるかは別ですけどね;;
<臨也vs折原>
SNS
――「なあ、折原臨也って知ってるか?」
――「折原臨也?誰それ」
――「名前だけなら知ってるけど」
――「確か何かやってる奴だよな」
――「情報屋、だっけ。かなり前に平和島静雄と大喧嘩したらしい、って聞いたけど」
――「その後、どこかに消えたって聞いたけど今は戻ってきてるんだっけ」
――「よく分かんない奴だよな。名前だけ知ってる奴は多いのに顔を知ってる奴って結構少ないもんな」
――「女がいる、とか子供がいるとかそういう話題はよく出るのにな」
――「てか、その折原臨也って奴がどうしたんだよ」
――「渋谷辺りで今、折原臨也って奴がハバを効かせてるらしいぜ。何人もの奴が折原臨也って奴にやられた、って言ってるんだよ」
――「渋谷?」
――「あれ、俺は横浜って聞いたけど」
――「?池袋で聞きましたけど」
――「折原臨也ってそんなにいるのか?」
――「いつの間に折原臨也って集団になったんだよwww」
――「いや、面白がって名乗ってる奴がいるかもしれんww」
――「じゃあオレもこれから折原臨也って名乗るわww」
――「2人目の折原臨也はっけーんww」
――「モンスター探しかよww」
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新宿 某マンション
愛子視点
「…………」
『?……どうしたの、臨也』
「ちょっとね」
『?』
子供達が学校に行った昼下がり。
お腹もいっぱいになり、外は綺麗な秋晴れ。大きな窓からはいっぱいの太陽の光が部屋の中に入り込み、ほんの少しだけ暑いぐらいだったが、
それを見越してのエアコンだったのか、丁度いい気温に保たれ、眠くなりそうな時間を過ごしているとパソコンの前で何やら真剣な顔をしている旦那の姿があり、
気になったので問いかけたのだが、あまり話したくないのか、その一言だけ呟いてそのまままた画面を注目している。
―――……頼りにならないのは分かってるけどさ……ちょっとぐらい話してくれたっていいじゃん。
仕事の事だったとしても[大変な仕事なんだ]とか[もしかしたら忙しくなるかも]とかそういう曖昧な表現でもいいので教えてくれたっていいじゃないかと思ってしまうが、
我儘な事を考えているのは十分解っているつもりなので何も言わずにテレビのリモコンを操作する。
「『…………』」
無言の時間が過ぎていく。
私はテレビに集中し、彼はパソコンの画面に集中する。
それはお互いの世界にも見えるが、夫婦が何も喋らずに数時間もの間、喋らないというのはどうなんだろうかとも思うが、喧嘩しているわけでも、
気まずいわけでもないのでとりあえず自分は自分の事をやるし、彼も彼で自分の事をやり、
時々コーヒーを出してあげれば[ありがとう]と言ってくれるのでそれで満足してまた自分の世界へと潜っていく。
「ねえ、君って携帯持ってるよね?SNSとかやってる?」
『SNS?何それ』
「……そう言うと思ったよ。簡単に簡潔に言ってしまえば、顔も知らない人間と繋がれるネットだよ。……とりあえずこっちに来てくれるかな」
『?』
そろそろ子供達が帰ってくるのではないかと言う時間帯。
彼はやっと落ち着いたのか、それとも喋る気になったのか唐突に私の方に目線を向けながらそう言うので質問に答えれば、
予想通り、とばかりの表情をしながら手招きするので疑問符を浮かべながら座っている椅子まで近づいていく。