折原家2
□パパのメガネ
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注意書き
メガネな臨也さんも素敵ですよねw
もう、公式でもメガネな臨也さん、出してくれても良いんですよ?w
<パパのメガネ>
新宿 早朝 某マンション
視点なし
「んー……っ、筑紫……?おはよぉ」
「おはおー……ふわ……」
いつもの朝。
二人は両親が起きる前より早くに目が覚め、お互いを確認するように、そして挨拶しつつ、カーテンを開けたり、今日の準備を確認したりとのんびりと用意を続けている。
だが、まだ眠いのか[ねむーい]と目を擦り、片方はベッドに頭を預け、片方はもそもそとベッドに上がり、ウトウトともう一度夢の世界へと落ちて行こうとしていた。
「がっこー……」
「うーん、わかってるよぉ」
解っているのだが、まだ寝ていたい。
それにまだ余裕があり、もう準備はしているのだから後は両親を起こしたり、顔を洗ったり、朝ご飯を食べたり、歯を磨いたりするだけだ。
何も今起きなくても―――そんな考えが二人に生まれたが、今起きなければ確実に遅刻するのは
たった数年生きてきた二人でも理解している事なので重い身体を起き上がらせ、[おきるっ]と大きく声を出し、立ち上がった。
「とーととママおこすー?」
「うーん……まだじかんじゃないから、ゆっくりねててもいいとおもうっ」
「うんー。とーと、きのうずーっとおしごとしてたもんねー」
「うん……。パパ、たいへんってママ言ってたからゆっくりねかせてあげよー」
二人が二度寝できない理由がこれだ。
父親である男は遅くまで仕事していたり、明け方や二人が起きてくる頃まで起きていたりと不規則な生活をしており、中々起きてこない時の方が多い。
母親は起きてくるのだが、父親に気を遣ってか携帯のアラームの音を消している為、それに気付かずに寝過ごしてしまうのだ。
なので、二人は自分達できちんと起きよう―――と心に決めており、目覚まし時計は2つ置いてある。
「何しよっか―」
「おえかき?」
「おえかきはしょうがっこーでやるあそびじゃないよ?」
「うーん……えほんとかー?」
「えほんもちがうよー」
「じゃあ、たすうけつできめよー?」
「さんせーっ」
まだ1時間もあったのだが、二人は1階にあるリビングまで下りて行くと何をしようか、と話し合うがまだ小学1年生の双子には保育園での遊びしか思いつかず、
どうしようかと考えた結果、双子しかこの部屋に居ないのだが、多数決をする事になり、紙を持って来た後、書くものがない事に気付き、キョロキョロと周りを見渡す。
「?パパのつくえの上、何かあるよー?」
「?なんだろー?」
双子の姉―――折原筑紫は何かを見つけたらしく、父親の机まで行くとヒョイ、と眼鏡を持ち上げ、真剣に眺めている。
それに気付いた弟―――折原紫苑も一緒になって眼鏡を見つめており、それが眼鏡だという事に気付くまでに数分かかった。
それもその筈―――二人は勿論、両親も眼鏡をしていないし、自分達の友達も眼鏡をしておらず、見たのは教師や僅かなクラスメイトぐらいだったからだ。
「何でパパのつくえにメガネがあるのかなー」
「……とーとのメガネだったりして」
「でも、パパがメガネしてるところ、見たことないよー?」
「うーん、ママのかなー?」
「ママもメガネしてなーい」
眼鏡がどういう役割をしているのか―――それは何となく理解しており、教師にも[目が悪くなると眼鏡をしないといけなくなる]と教えられたので覚えている。
だが、両親の目が悪い―――なんて教えてもらった事がなかった二人は何故ここに目が悪い人の為の眼鏡があるのか不思議で堪らないのだ。