折原家2

□オフ会の真実
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愛[もっと早く言ってくれればいいのに……]

甘楽[色々と準備が必要なんですよ、きゃは☆]

愛[全然可愛くないからね]

セットン[同伴者1名まで、っていうのは私ともう一人呼んでも良い、と言う事ですか?]

甘楽[やっぱり折角のオフ会にたった4人、っていうのも味気ないじゃないですか☆ミ]

甘楽[だから合計で8人までOKって事にしようかな、って!]

愛[私、甘楽しかいない]

甘楽[学校の友達を呼んでも良いんですよぉ?あれ、確か愛ってたくさんの友達に囲まれて楽しいんじゃないんですかぁ?]

田中太郎[一人、って言われると困りますね……]

田中太郎[呼ばなくても良いんですよね?]

田中太郎[あれ、甘楽さん?]

田中太郎[セットンさんまで……あの、返事を返してくれると嬉しいです]

田中太郎[え、ちょ……ww]

田中太郎[セットンさん?]

田中太郎[甘楽さん?]

田中太郎[愛さん?]

田中太郎[おーい!おーーい(ノД`)・゜・。]







新宿某マンション 同時刻

愛子視点


『嫉妬してるの?』

「してないよ。けど、君が竜ヶ峰君達と楽しそうに話をしてると思うと、邪魔をしたくなるかな」

『……それを嫉妬、って言うんじゃないの?』


田中太郎さんが独り言のようにチャットを埋めているとも知らずに、私はぎゅうぎゅう、と力を込めて後ろから抱きしめてくる相手に対して言葉を吐き出す。

相手は[してない]と言いつつも、言葉を聞く限りでは[私が楽しんでいるのが気に喰わない]と言わんばかりだ。


―――嫉妬してくれるのは嬉しいけど……され過ぎるのも嫌だな……。


嫉妬してくれるのは愛してくれるから。

嫉妬してくれるのは自分一人だけの物にしたいから。


何となく相手―――折原臨也の気持ちは分かるのだが、やはり何事にも[程度]というものがある。

過度の期待、過度の心配―――私はそういうものに縁が無かったが、こうやって臨也に過度の嫉妬をされると嬉しいような嫌なような複雑な気持ちになるのだ。


「それなら俺は彼らに嫉妬してるんだと思うよ?それに俺には友人と呼べる人間がいなかったからねぇ」

『岸谷さんは?』

「アイツを友人に入れていいのか少し疑問だけど、入れるなら1人じゃないか。あの化け物を友人なんていうカテゴリーに入れる事すら俺は拒否するけどね」

『はいはい。……ていうか、このオフ会って何するの?私、ホームページ見てないし……』

「特にする事はないよ?オフ会によってはやる事が決まってる所もあるけど……自殺オフみたいにね?」

『……。……それで、臨也は何をするつもり?』


[自殺オフ]と聞いた瞬間、あの時の事を思い出し、言葉に詰まった。

だが、このまま黙ったままでは[臨也主催のオフ会]という奇妙なイベントの内容が分からないので唾を飲み込み、ゆっくりと言葉を吐き出す。


「そうだな……。豪華な食事でもして、親睦を深める、っていうのはどう?」

『!?……ね、熱はない、よね……?ど、どうしたの!?』


彼の事を全て知ったわけではないが、数ヶ月一緒に居ると[折原臨也]という人間像が解ってくる。

そんな彼が[食事をする]という何の変哲もない事を言うと思わなくて―――思わず彼の手を握るが、いつもと変わらない体温で更に疑問が深まっていく。
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