折原家2
□眠れない日は
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インフルネタって風邪ネタの最終形態ですよねwいやー一度書いてみたかった、というのもありますし、丁度時期なので、
もし今なってます、という方が少しでも早く元気になれるように頑張って書いていこうと思いますw
<眠れない日は>
新宿某マンション 昼
愛子視点
「…………」
『?どうしたの?もう食べないの?』
「……食欲がなくてね、また夜にでも食べるよ」
『う、うん……』
―――ほとんど食べてないじゃん……。
子供達を保育園に連れて行った後のお昼ご飯。
朝はいつものように笑顔で[いってらっしゃい]と手を振っていた彼なのだが、お昼ご飯から様子がおかしく、一口食べてボーっとしている。
声をかけても、元気が無くて―――それが逆に心配になってしまう。
どうしたんだろう、と思いつつ彼の動きを見ていると立ち上がったかと思えば、ソファの方へと歩いて行き、そのまま横になってテレビを見るつもりのようだ。
『臨也……』
「…………」
いつもの彼ならばテレビを見るにしても、背もたれに背中を預け、両腕を広げて見ている事が多く、
横になっている姿なんて眠い時か、疲れている時か体調が良くない時のどれかなので、心配するように声をかけたのだが、返事は無くて―――
近付いていくと僅かだが、呼吸を荒げたように肩を動かしており、頬も少しばかり赤い気がする。
―――風邪かな……。
―――最近流行ってるし、人混みによく行くからもらってきちゃったのかな。
彼―――折原臨也は情報屋としていつも楽しそうに、忙しそうに新宿だったり、池袋だったりを行き来しており、人混みに行く回数も多い。
それに人と会う事も多いらしいので、そこで風邪のウイルスなどをもらってきてしまうのは仕方ない事なのかもしれない。
しかも子供達もいるので、余計にウイルスなどに触れる機会が多いのだろう。だが、こうやって寝込んでしまう、という事は寝不足だったり、疲労やストレスが祟ったのだろうか。
―――大丈夫かな……。
―――具合悪そうだし……。
『臨也……こんな所に居たらもっと熱上がっちゃうし、布団に入ってゆっくり休も?』
「……愛子……」
『大丈夫だよ、大丈夫だから……ね?一緒に居るから上に行こ?』
「…………」
簡単な毛布しか置いていないし、臨也は生憎毛布の上で横になっている為、掛ける事ができない。
なのでゆっくりと子供に言い聞かせるようにそう言うと小さく頷いて起き上がり、自分で2階への階段を踏み出した。
『無理しなくていいよ。辛くなったら私が支えてあげるから。ゆっくりゆっくり行けばいいよ』
「…………」
足元が先程よりフラついており、支えてなければ落ちてしまうかもしれない―――そう思った私は彼の腕に身体を潜り込ませ、引っ張るように階段を上る。
やはり熱が高いようで身体は熱く、臨也の表情も苦しそうだ。
大怪我をした時だってあまり見た事がない彼の表情を見ているだけで心が痛くて―――早く熱が下がればいいのに、そう思った。
『ふう……。体温計持ってくるね』
「……寒い」
『寒いの?……解った。毛布と体温計、持ってくるね』
何とか2階に辿り着くと彼を支えるように横に寝かせ、布団を掛けたのだがまだ寒いのか苦しそうに肩を上下させつつ、そう言うので素直に頷いて部屋を出た。