アンケート
□誰の子供?
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リクエスト
幼少期の臨也がタイムスリップしちゃって夢主ちゃんも臨也も双子ちゃんたちも「パパ似の子供ッ!?」みたいな感じになる話書いてください!臨也がすごく動揺するっていうw
<誰の子供?>
新宿 早朝
臨也視点
「……んっ……」
まだ夜も明けきらない時間帯。
どことなく息苦しさを感じ、うっすらと目を開ければ、いつものように妻である彼女が隣にいて―――いつもの[日常]にホッと胸を撫で下ろし、何故息苦しくなったのか、その原因を探す。
「…………」
ゆっくりと上半身を起き上がらせ、眠い目を擦って欠伸をしながら何となく彼女と俺の間を見るとこんもりとした山ができており、疑問に思いつつ、ゆっくりと布団を捲ると―――
両親が見たら[小さい時にソックリ]と言われそうな程に似た俺の顔があり、すやすやと気持ち良さそうに眠っていた。
その子供は俺の服を強く握りしめており、ついでに半分以上その身体を俺の身体に乗せている為、思わず息苦しさに目を開けてしまったらしい。
―――何がどうなったらこうなるわけ?
―――……全く理解できない。
寝起きだから―――というよりも、自分の小さい時の顔がそのまま俺と妻―――愛子の間にいるのだ。動揺しないわけがない。
確かに自分の息子は俺の顔に似ているが、ここまでではない。
そこはやはり俺と彼女の子供―――という事もあり、愛子は認めないかもしれないが、自分とは似てない部分だってある。
だが、この隣で寝ている子供はそのまま俺が小さくなったらこの顔だろう、と言えるような―――小学校の卒業写真ぐらいに載ってそうな顔だ。
『んん……、……』
「……いいよね、君は」
幸せそうに寝返りを打ち、小さい俺を抱きしめるように、子供がぬいぐるみを求めるように眠っており、本来なら俺が彼女に抱きしめられ、眠っていた筈だ。
それが、小さい俺―――という理解できない状況により、完全に眠気は消え、愛子を取られてしまっている。
「ねえ、君が抱きしめてるのは俺じゃないんだけど。……それに君もちょっと嬉しそうにしないでくれない?」
「う……ん?お兄ちゃん、だれ?」
「誰、じゃないだろう?君が一番良く知ってる人物だよ」
「?……おじいちゃん?おばあちゃん?お母さん?お父さん?」
独り言のように、愚痴のように幸せそうに眠る子供と妻に向かって吐き出せば、子供の方が起きたようで不思議そうな顔をして俺を見つめている。
なぞなぞのように問いかければ、訳が分からない―――とばかりに知っている名前を出している。
「……君は俺だよ。そして……俺は君だ」
「??よくわからないよ……」
「俺だって理解したくないよ。でも、何か理由があって君は十数年後の世界に来た、って事さ」
「じゅうすうねんご……。かえれないの?」
「俺には解らないね。起きたら君は俺と愛子の間で寝ていたんだから」
「愛子?愛子ってだれ?」
「……君が未来で大事にする人間の名前さ」
目を開ければ、やはり俺ソックリで―――彼女に抱きかかえられながら、首を傾げたり、不安そうな顔をしたり、どこにでもいるような子供の顔をしていた。
―――……俺にもこんな時代があったんだねぇ。
自分の昔の事なのだが、何故だか他人事のような気分で小さい俺と話をしていると―――
『いざ……や?……誰と話してるの?』
話し声で起きてしまったのか、子供を抱えながら片手で目を擦りつつ、本来抱きしめている筈の俺に向かって声をかけた。