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□それぞれの未来
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双子達の未来話(来良学園の生徒になった日常)


<それぞれの未来>


新宿 朝 某マンション

愛子視点


『携帯触りながらご飯食べたら行儀悪いでしょ』

「うーん、ちょっと待って。今いい所だから」

「ねえ、筑紫。それ俺の携帯」

「うん、知ってる。だって私の携帯、お父さんのせいで止められたしー」

「お前が使い過ぎたせいじゃないの?父さん、すっごく怒ってたよ」

「そんな事ないよー、ね、お母さんっ」

『程々にしないと本当にパパに携帯没収されるよ』

「それは困る―!」


大きくなった双子。

小さい頃はよく私に似ている、とか旦那に似ているなんて言われていたが、大きくなればその面影だけを残して大人っぽく成長していた。


若い頃の自分に―――なんておばさん臭い事は言わないが、やはり髪の毛が僅かに跳ねている娘は私の面影を残し、

それでも高校生らしくオシャレして、友達に化粧などを習ったりしている様だ。

息子の方は若い頃の旦那―――折原臨也にソックリであり、今も若々しい臨也と瓜二つとは言わないが、よく似ていてちょっとだけ恥ずかしくなる。


二人は臨也に買い与えてもらった携帯に夢中であり、娘の筑紫なんて夜な夜な友達と電話していたり、携帯のアプリで遊んでおり、よく息子の紫苑に起こされながら下に下りてくる。

小さい時は朝早く起きて、一番最初に寝る子供だったが、やはり世界が広がると[やりたい事]が増えてくるせいか、私の方が早く寝てしまう事も多い。


臨也は変わらず情報屋を続けており、天敵である静雄さんとの喧嘩、というか因縁というかそれも続いている。

私も特に変わったわけでもなく、臨也と一緒に過ごし、臨也の為に生活しているようなものだが、

時々デートのように出掛け、変わらない愛で私を愛してくれる為、こんな人生も悪くないと思っている。


『ほら、もうこんな時間だよ。早くご飯食べないと遅刻しちゃう』

「あっ!本当だ、ヤバ、どうしよ……」

「後で貸してあげるから、今は朝ご飯食べちゃおうよ」

「うん、そうだね」


時計を見て二人に告げれば、二人も時間を確認したのか、僅かに絶望した表情をした後、目の前にある朝ご飯を食べ始め、慌てている様だ。


―――アプリなんて後でやればいいのに……。


帰ってきたらいくらでも時間はあるのだから―――そう思うのだが、やはり高校生と私とでは[時間]という考え方が違うようで、1分1秒も無駄にしたくないのが高校生のようだ。

反対に私はのんびり帰ってきてからやりたいタイプであり、子供達に教えてもらったアプリをこっそり臨也が居ない時にやっている事がある。

まあ臨也が居ても特に怒る事はないし、彼の考えは[やる事をやってくれればいい]というものなので堂々とやっていられるが―――


――「ねえ、アプリと俺、今必要な時間ってどっちだと思う?」


とうるさいので居ない時にしかできない、と言った方がいいかもしれない。


「あれ、二人とももう高校か」

「あ、お父さんおはよー」

「おはよ、父さん」

『あれ、早いね』


二人が朝ご飯を慌てて食べている中、小さな欠伸をしながら下りてきた臨也がこちらを向いて声をかけてきた為、双子は一度ご飯を食べる事を止めて父親に挨拶した。

こうなる事はよくあるのだが、それでも二人が高校に行く前には起きてくるので臨也も早く起きる努力をしてるんだな、と感心している。

それでも[絶対起きてくる]というわけでもないので高校が終わって帰って来た時に[二人ともおかえり]と初めて子供達と会う事もあったりするのだが。
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