アンケート
□来ちゃったっ
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リクエスト
もしくは静雄とセルティと新羅が臨也不在のなか遊びにくる話です!
こちらは[折原三兄妹]のリクエストを下さった方の続きのリクエストとなります。
<来ちゃったっ>
朝 新宿 某マンション
愛子視点
「今日ちょっと遅くなるかもしれないんだよねぇ。だから昼ご飯は俺抜きで食べてもらえる?」
『それはいいけど……いつぐらいに帰れそうなの?』
「夜ご飯までには帰るつもりだよ?けど、もしかしたら帰れないかもしれないけどねぇ。それは俺にも解らないからさ。遅くなるようだったらまた連絡するよ」
『……心配だよ。最近いっつも忙しそうだし……体調崩したりしたら大変だし、臨也が苦しそうなの、私、見たくないし……』
子供達が学校に出掛けて数分後。
彼は子供達に続くように準備をしており、いつもの格好をしながらも手にはサラリーマンが持つような鞄を持っていたり、
パソコンを入れるような鞄を抱えていたりと今から何をしに行くんだ―――と言うものばかり持って玄関で靴を履いている。
そんな後姿を見ながら彼の言葉を聞いていたのだが、[遅くなる]という旦那―――折原臨也の事が気になり、
目を伏せ、[無理しないで]と遠回しに言うが彼はそれを知りつつも[大丈夫だよ]と笑って立ち上がる。
「これが終われば残りは大した量もないし、欠伸をしてても終わるような仕事だからさ。終わったら、どこか家族で出かけようか」
『!本当……!?私、4人で行きたい所があるんだぁ』
「行きたい所?」
『うん。……ていうか、時間大丈夫なの?』
もっと臨也と話をしていたいが、携帯の時計を確認すると既に3分以上経っており、あまり彼を引き留めては悪いのでそう言ったのだが、
臨也は気にしていないかのように[大丈夫だよ]と言うので行きたい所を言うと納得したように[君らしいね]と言った。
『私らしい、って何……』
「家族の事を考える母親として、そして俺の妻として考えてるね、って事だよ」
『……だって、土日とか二人だけで遊んでる姿を見るのは、やっぱり母親として悲しいし……』
友達と遊ぶ事もあるが、基本臨也が[外に出てはいけない]と言いつけている為、中で遊んでいる双子。
だが、父親が遊んでくれなければ、どこかに連れて行ってくれなければ結局遊ぶのは二人だけになってしまうのでそれを見るのが辛いのだ。
私も遊んであげれればいいのだが、私の場合は家事と家事の間の為、遊んであげられる時間が限られている。
雨の日ならば洗濯物を取り込まなくてもいい為、その時間も子供達と遊んであげられるのだが、それも微々たるものなので困っているのだ。
―――臨也が変な独占欲を出さなければいいだけなんだけど……難しいよね。
ずっと大事に育ててきたのだ。
どこの誰かも解らない人間にそんな大事な双子を取られたくない―――そんな彼の気持ちは分かるのだが、二人からしたらいい迷惑だ。
子供はたくさん遊ぶものだと思うし、たくさん遊びたいだろう。それを制限されたら不満を抱くだろうし、[何で僕達だけ][何で私達だけ]と思ってしまうかもしれない。
―――そうなってはほしくないけどね……。
その為には色々な所に連れて行き、たくさん疲れるまで遊んでほしい。
臨也ではないが、[家族と居た方が楽しい事がいっぱいある]と思わせられたらそんな不満も消えるかもしれない。
そう言うと彼は僅かに考えた後、[一理あるかもね]と言いつつ、こちらに近付いてきて―――
「もっと君と話をしていたい所だけど……タイムアウトだ。子供達の事については俺も考えておくからさ、あまり深刻に考えないようにね」
と言った後、いつもなら両頬にキスで終わるのだが両頬にキスをした後[特別サービスだよ]と言って額に行った後、
唇に触れるだけのキスを落とし、[行ってくるね]と手を上げて外に出て行く。