アンケート
□折原三兄妹
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リクエスト
舞流と臨也が喧嘩して舞流が拗ねてどこかへ行ってしまってヒロインになだめられて臨也が探しにいくって話です
＜折原三兄妹＞
新宿 某マンション
愛子視点
「イーザー兄ぃー！ねー、いいでしょー？３日でいいからさぁ」
「微(少しだけ)……」
「駄目だって何回言わせれば気が済むんだ？ていうか、こんな時間に社会人が遊びに来るものじゃないよ？」
「社会不適合者の代表みたいなイザ兄に言われたくありませーん！今日は休みだよー！」
「休(一緒に休み)」
双子が小学校に行っている昼下がり。
私はふう、と息を吐き出しつつ、片づけ終わった室内をぐるりと見回していると私の義妹であり、旦那の妹でもある双子が突然やってきて―――
２泊３日で私と子供達を借りたい、と旦那に言い出したのだ。当然のように旦那―――折原臨也は反対し、
[さっさと帰れ]といつものように追い払ったのだが、義妹でもある折原九瑠璃ちゃんと舞流ちゃんは頑なに[お願いー]と言って帰ろうとしない。
何か事情があるのか、と思うのだが、彼は全く二人の事情を聞こうともせず、[駄目だ]と言い続けており、しかも私が口を挟めるような雰囲気でもない為、三人の会話を聞いているだけだ。
―――少しぐらい聞いてあげればいいのに……。
「一応君達より早くから俺、働いてるからね。まあ世間一般からしてみたら、不適合者と同じものなのかもしれないけど」
「そんな事よりっ！愛子義姉と筑紫ちゃんと紫苑君貸してよぉ！」
「好(幽平さんに)……偶(会えるかもしれない)」
「……やっぱりそれか。何となく予想はしてたけど……羽島幽平のドラマの撮影会があるんだろう？確か、抽選で何名かに当たるらしいじゃないか」
「やっぱりイザ兄知ってたんだ！そうそうっ、それにねー私とクル姉も当然っ、応募したらクル姉が当たっちゃってさー。
折角だし、筑紫ちゃんと紫苑君も誘おうかな、って思って！
でも、まだ小学生だし危ないよね、ってクル姉と話した結果！愛子義姉も一緒に行けばいいよね！って思って！」
私と臨也の子供である筑紫と紫苑は二人に[幽平さんっていいよね！]と小さい時から叩き込まれた、
というか染められ、ドラマなど羽島幽平が出ているテレビはかかさず見るし、ＤＶＤも借りたい、と臨也に頼み込むぐらいだ。
臨也が二人の要求である抽選を知ったのも二人が丁度見ていたバラエティーからの情報であり、
勿論二人も父親に[応募したい]と名乗りを上げ―――結局当たらなかったものなのでその話を聞けばきっと喜ぶだろう。
だが、私は特に羽島幽平が好きなわけでもないので別に行かなくてもいいのだが、九瑠璃ちゃんと舞流ちゃんは[愛子義姉も一緒に行こうよ！]と誘うので中々断れない状況だ。
「二人が遠出をする、っていう事は用意するのは愛子だからかなり彼女に負担がかかるわけなんだけど……そういう所、考えてるのかい？」
「いいじゃん、愛子義姉も一緒に行くんだし、まとめて用意しちゃえばいいんだよ！」
「楽(簡単)」
「何で彼女まで連れて行くんだい？確かに双子が羽島幽平を好きなのは認めるよ。お前達があの子達に何を言ったのかは知らないけどさ……でも愛子は関係無いだろう？」
「じゃあ、イザ兄はあの子達の事、心配じゃないの？」
何と言うか―――ずっと同じ事を同じように質問して答えているかのように結論が出てこない。
九瑠璃ちゃん達は流石臨也の妹だけあり、私の言葉を代弁するかのようにハッキリと言えば、彼もハッキリと[心配に決まってるじゃないか]と言う。