アンケート
□私のパパ
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リクエスト
筑紫ちゃんが五年生ぐらいになった設定で、臨也の職業柄、いろんな人に筑紫ちゃんの命が狙われ、それが嫌で家出してしまう話を書いてください!
<私のパパ>
新宿 某所
筑紫視点
「…………」
「……最近多いね。何か嫌になるよ」
「……本当、嫌だ」
小学校から家に帰るまでの道のり。
それ程離れてない筈なのに色々な所から視線を感じて―――それが好意を持った視線じゃない事を私は知っている。
小さい時は怖いもの知らずで、誰にでも[パパよりも怖くない]と思っていたけど―――少しずつだが大きくなっていくと怖いものが増えて行く。
今だって弟の紫苑と歩いているだけなのにこちらを睨み付けてくる顔と目が合って―――慌てて目を逸らした。
―――パパは情報屋さんだから仕方ないのかもしれないけど……。
―――やっぱり嫌だな……。
小さい時は気付かなかった視線も、こうも毎日だと自然と気付いてしまって―――
襲いかかってくる、というのは流石に無かったが、それでも[いつでもお前なんて殺せるんだぞ]と訴えられているようで怖かった。
「早くお家に帰ろ」
「うん。……っ、紫苑っ、逃げよっ!!」
「!?筑紫っ!?」
お家に帰ればママが居る。パパもいる。波江さんも居る。
それだけで私と紫苑は安心して―――だけど、緊張しながらお家に帰れるのだ。
優しく笑った弟に返事を返していると後ろから[手前、折原臨也の餓鬼だな]という声が聞こえて―――紫苑の手を強く握って勢い良く走り出す。
時々ああやって私や弟に向かって[折原臨也の餓鬼]と言ってきて追いかけてくる。学校の先生に言っても信じてくれなくて―――今度はパパに言ってやろう、って思った。
―――パパなら信じてくれるもん……。
―――パパに言ってあんな人達、やっつけてもらうもん。
―――――――……
数分後 某マンション
筑紫視点
「……っ、……疲れたぁ」
「……、……っ、あんな人達に、捕まっちゃってもいいの?」
「嫌だよ、絶対嫌だ。もうとーととママと波江に会えなくなるなんて嫌」
「だったら……。私に付いてきて」
一人だったら言えない事でも―――二人なら言える。
私達はパパが言うには[二卵性双生児]というものらしくて、よく分からなかったけど私達は一人じゃない、って事らしい。
同じ日に同じように生まれて―――ずっとこうやって一緒に過ごしてきた。ムカつく事もいっぱいあるけど―――やっぱり弟が居ないのは寂しい。
それに、パパに中々言えない事でも紫苑が居たら言えそうな気がして―――ずっと繋いでいた手をそのまま引っ張ってパパの所まで歩いていく。
『筑紫?どうしたの?』
「……パパとお話ししたいの。だから、ママ……少しだけあっち行ってて」
『……ママは聞いてちゃダメかな』
「……。ねえ、筑紫。ママはいいでしょ?」
パパの近くに居たママは帰ってきてランドセルも下ろさないまま来た私達を見て不思議そうな顔をしながら聞いてきたので素直に言ったけど、
ママも気になるみたいで少しだけ寂しそうな顔をしながら聞いてくるので弟が折れてしまった。
それに私もママが寂しそうな顔をするのは嫌なので[じゃあママもそこに居て]と言うとニッコリ、と笑って[解った]と言った。