アンケート
□反抗期
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リクエスト
双子ちゃんが小学5年生ぐらいになって筑紫ちゃんに反抗期がきて臨也さん達を悩ませるというのを書いてください
<反抗期>
新宿 某マンション
愛子視点
「筑紫、少しは片付けたらどうだい?」
「やだ」
「やだってさ、紫苑はきちんと片づけてるじゃないか」
「……もう、パパうるさいなぁっ」
最近の悩み事。
それがこれだ。
どれだけ言っても、[うるさい]と言われ、最終的には怒って上に行ってしまう事もあって―――
これが、世に言う[反抗期]だというのは解るのだが、やはり実際目の前で旦那と娘の会話を聞いていると心が痛い。
ただちょっと[片付けたら?]と言っただけで反抗し、最終的には最近の娘の言葉―――[うるさい]と言ってプイ、と顔を背け、どこかに行ってしまう。
―――困ったなぁ……。
小さい時は[ママ、ママ]と甘え、アヒルの子のように後ろからついてくる程の甘えたがりの娘が、
今では私に対しても[お手伝いなんてしたくない]と反抗し、ソファに座ったまま動かない事が多い。
息子も最近ではあまり私に近付いてこなくて―――ちょっと声をかけただけで[ウザい]とどこで覚えてきたのか、そんな言葉を発して2階に行く事が多くなった。
『……パパ、何か辛いよ……』
「反抗期があるのは仕方ないだろう?今は筑紫の方がかなり酷いけど、そのうち紫苑も酷くなるんじゃないかな」
『……やだ……』
あんなに笑顔に包まれていたのに―――あんなに心から[幸せだ]と思えていたのに、[反抗期]というものを迎えただけでどうしてこうもガラリ、と変わってしまうのだろうか。
戻りたい―――とは言わない。
これは子供達が自立する為の大事なものだから。大人へと変わっていく第一歩だから。
解っている。
解っている。
言い合ったって、何も変わらない事も。
子供達の性格が全て変わってしまったわけじゃない、という事も。
解っていても―――旦那に愚痴を吐いたり、弱音を吐いてしまう。
旦那である折原臨也はやはり[人ラブ]なんて言ってるだけはあり、二人の[反抗期]を受け入れているようで、呆れつつも注意したりはしているようだ。
『筑紫、紫苑、ご飯できたよ』
「「…………」」
『ね、ねえ……ママ達と一緒にご飯食べよ、ね?』
「「…………」」
朝ご飯の準備ができたので声をかけたのだが、無視して本を読んでいる娘―――
折原筑紫と小学5年生になったお祝いに臨也が買い与えたゲームをやっている息子―――折原紫苑。
二人は私の言葉なんて聞こえていないかのように無視をし、夢中で本やゲームをやっており、[一緒に食べる気はない]という意思表示にも見えた。
「君達さ、それを買い与えたのは誰だと思ってるの?それ以上やるなら、もう買ってあげないよ?」
「……本当、パパっていっつもそうやって買ってあげた、って言うんだから。じゃあ別にいらないし」
「買ってくれ、なんて頼んでない」
「……。それなら今後一切お前達に欲しい物を与えない事にするよ。いらないみたいだしねぇ」
「!え……ちょっ!」
「!何するのっ……!」
いつまでも席についてご飯を食べようとしない二人に臨也は溜息を吐き出し、立ち上がると双子の方へと行き、
持っていたゲームや本を取り上げ、[これも俺が買ったんだからいらないよねぇ]と言ってごみ箱へと捨てた。