アンケート
□心の変化
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リクエスト
双子ちゃんが大喧嘩をしてお姉ちゃんの方が弟君を怪我させてしまう話を書いてください!
<心の変化>
新宿 朝 某マンション
愛子視点
「きょうねー――――」
「それでねー―――」
二人は仲が良い。
だからといって旦那の妹達のように[相手が居てくれたらそれでいい]というものではなく、どこにでもいるような―――喧嘩してもすぐに仲直りするような、そんな双子だ。
仲が良い時は本当に[双子なんだな]と思わせ、息ピッタリで話すが、喧嘩した時はその反対であり、[そこまで喧嘩しなくても]というぐらい喧嘩する事もあった。
それでも、手を繋いでお互い危なくないように―――と注意し、解らない時はお互いに教え合い、何とも可愛らしい子供達だな、と思っている。
そんな双子が私も旦那も大好きで―――いつまでも二人の成長を見守っていきたい、そう思った。
―――まだまだ小学生だもんね。
―――……もっと大きくなったらきっと、ママ、ママ言ってくれなくなるんだろうなぁ。
「ママー」
『?どうしたの?』
「あのねー、あたしのえんぴつが1本なくなっちゃったの。おへやをさがしてもみつからなくてねー、紫苑にきいてもパパにきいてもしらなーい、って言うの」
『うーん、どこ行ったのかな……』
可愛らしく小学校の友達と遊んだ事について話してくれていると、姉は思い出したかのように私を呼び、相談してくれる。
どんな些細な事でも、どんな話でも―――二人が話してくれる内容は私にとって新鮮で、[そんな学校生活をしたかった]と思える物ばかりだった。
なので、話してくれる事は一つも聞き逃さないように―――話を聞いていたのだが、鉛筆がなくなった、というのは少し心配だ。
虐めがある―――とヒステリックに叫ぶ親になるつもりはないので[学校は探した?]と冷静に問いかけるが、娘は首を振って否定する。
「きのうはあったの。……がっこうにおいてきちゃったのかなー」
『どうかなー。……確か学校開放日があった筈だからその日に行ってみたら?』
昨日は夏休みの答えや連絡などを伝える出校日があり、それに娘や息子は元気よく登校したのだが―――それからない、という事はもしかしたら学校かもしれない。
そう言えば、僅かに納得したのか、[いってくるー]と頷くので念の為、どんな鉛筆なのか問いかけると―――
「たんじょうびにねー、スズちゃんにもらったの。おそろいーって!あかくてねハートがいっぱーいついてるえんぴつー!」
とても嬉しそうに語る筑紫にこっちまで嬉しくなってきて―――[そうなんだ。大事なんだね]と言うと大きく頷いて肯定する娘。
『紫苑は見てない?』
「えっ……みてないよー?」
『そっかー。じゃあお掃除した時にママも探してみるね』
「うんっ」
僅かな疑問を感じたが、私の息子を自分が信じなくてどうするんだ―――と気持ちを入れ替え、何事もなく見つかればいい、そう思った。
―――まさか、ね……。
―――――――……
夜 リビング
愛子視点
「?筑紫、何か探しものかい?」
そろそろお風呂の時間。
私は子供達や旦那―――折原臨也の分の着替えを持ってくると脱衣所に置いていき、後はお風呂が沸いてくれればいつでも入れる状態だ。