アンケート

□頼りになるあの人?
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リクエスト

シズちゃんと臨也が入れ替わってしまいわちゃわちゃして夢主がなんとか戻そうと頑張るお話


<頼りになるあの人?>


池袋某所 昼前

視点なし


「ノミ蟲、手前逃げてんじゃねぇえええええ!」

「だって逃げないとその手に持っている標識が俺に当たっちゃうだろう?そんなの当たったら一溜りも無いじゃないか、馬鹿なのシズちゃん」

「うぜぇええええ!死ね、臨也ぁあああ!」


周囲に居た人間は誰もが考えた。


[いつもの日常]だと。

とりとめのない―――[池袋では]よくある[日常]だと。


この二人の喧嘩はあの事件があってからも変わらず、少しの間逃げている男を池袋で見る事はなかったのだが、また帰ってきた―――そんな噂が立ったのはいつだろうか。

そしてその後、[折原臨也には子供がいる]や[女が出来た]などという噂が広まり、今ではそれすらも[日常の一部]と化している。


彼に恨みや憎しみを持った人間は[好都合]と考えたのだが、男の妻には強い味方がたくさんいるようで―――

追いかけている男すら仲間に引き入れている、と知った瞬間の彼らは何を考えたのだろうか。

それを知ってからというもの、男の妻や子供に手を出す事はなくなり、[殺したいのに殺せない]という感情だけが独り歩きしている状態だ。


そんな中―――いつもと変わらぬ[日常]を送る二人は、周りの目すら気にせずに喧嘩を続けており、金髪にバーテン服、

というアンバランスな上に手には通常の人間では持てないような標識を片手に走っており、重さを重さとして認識していないかのようだ。


「ちょ、……危ないなぁ。俺が怪我をしたらあの子達が泣くんだけど、いいのかな?あの子達を泣かせても」


それに相対するのは頭の先から足の先まで真っ黒に統一されたファッションを身に着けた男であり、手には物騒な刃物が握られている。

それだけでは標識を軽々しく持った男に勝てないのは承知の上らしく、どうやって逃げるか頭の中で算段している様だ。


「言ってたぜ、臨也君よぉ。パパは悪い子だ、ってな」

「…………」


だが、相手も男の[弱み]を知っているのか、その一言だけで舌打ちし、刃物を投げるが手に持つ武器で簡単にはじき出されてしまう。


「馬鹿の一つ覚えみてぇにナイフ投げても俺は殺せねぇ……でもまあ、あれだよな、

普通の人間なら死ぬかもしれねぇものを俺に投げつけてる、つー事はだ、俺に殺されても文句は言えねぇよなぁぁあああ!」

「何でそんな考えになるのかなぁ。君なんて、ナイフで刺しても5mmぐらいしか刺さらないじゃないか。

馬鹿の一つ覚えに標識なんて振り回しちゃってさ、力の誇示してるそこら辺の不良達と変わらないよ?」

「うぅぅぅぅるぅぅうううせぇええええ!じゃあ、手前のお望み通り、素手で手前を殺してやるよ!」


標識を持っていた筈の男―――平和島静雄は逃げていた男―――折原臨也の挑発に乗るかのように持っていた標識をゴミを捨てるかのように投げつけ、臨也に向かって走り出す。

まさか静雄が簡単に挑発に乗るとは思っていなかったのか、一瞬判断を遅らせるが、その一瞬で彼は右足を軸に回転するように避け、そしてそのまま左足で立ち、後ろに下がった。


「逃げんなっ!」

「逃げたくもなるって、この状況じゃ」


静雄はそのまま力に釣られるようにしてアスファルトを殴りつければ、メキメキとひびが入り、彼の腕は肘辺りまでめり込んでいる。

これには周りの人間も驚いたようで目を見張っていたが、静雄は特に気にしていないかのようにずぼ、と勢い良く腕を抜くと気にせず、臨也に向かって頭突きしようとしている様だ。
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