アンケート

□ジムの事情
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リクエスト

イルミネーションの続きで、ヒロインちゃんや自分を守る為に双子ちゃん達が楽影ジムに通いたいと臨也にせがんで最初は嫌がる臨也でしたが最後は許可しちゃう


<ジムの事情>


数日後 新宿某マンション

愛子視点


「ママー、いたいいたいー?」

「ちっぷ、くちゃくないねー」

『まだ少し、痛いかな。臭くない湿布を貼ってるからね』


男達に襲われてから数日。

私は旦那から外出禁止命令が出されてしまい、頬に湿布を貼り、そして所々にも絆創膏を貼って過ごしている。

最初は[大丈夫だよ、これぐらい]と言っていたのだが、お風呂に入る時に鏡を見て―――これは外に出てはいけないレベルの怪我だ、そう悟った。

保育園の送り迎えもできないし、買い物もできない。変な所で有名、知り合いが増えてしまったので[夫が妻に暴力を振るっている]なんて変な噂が立ってしまいそうだ。


それもあるし、旦那が必要以上に私の心配をし、[襲われた後なんだよ?]と念を押すように仕事に行ってしまったのでいつも一人でこの広いマンションの中を掃除したり、

整頓したり―――もうする所がなくなってきそうな程に整頓し、台所も既にここに来た時ぐらい、綺麗になっている。

子供達も行けそうな時は波江さんが連れて行き、旦那が[様子を見た方がいいんじゃないかな]と警戒する時は理由を付けて休ませている。


―――大丈夫だとは思うんだけど……やっぱり怖いよね……。


旦那―――折原臨也に恨みがあった人間は全て天敵である平和島静雄さんに殴られ、彼が言うには既に戦意喪失している―――

と聞いたのでもう一度襲いかかってくる、という事はないだろうが、臨也に恨みがある人間はたくさんいるので、それを彼は警戒しているのだろう。


―――……私も、何か習った方がいいのかなぁ。


時々思う。

[子供達の盾]というのは絶対的な―――剣も刃も通さない、鉄壁なガードがあるからこその[盾]だと思うのだが、私は一度殴られただけで簡単に飛ばされてしまった。

近くに子供達が居たので背中を向けて守るように頑張れたのだが、もしそれが―――子供達からかなり離れた場所だったら、きっと助ける事はできなかっただろう。


運良くカラーギャングの中でも顔役だった男に助けてもらえたが、自分でどうにかしなければならない事だってきっと出てくるはずだ。

なので、簡単に始められそうで―――それでいて辛くないようなジムを探す事にした私。


―――知り合いなら……九瑠璃ちゃんと舞流ちゃん……それと美影さんかな。

―――……えーと、確か……舞流ちゃんだっけ?美影さんが凄く強い、とか言ってた気がする……。


どちらに言われたか覚えていないのだが、紹介するように、そして自慢するように美影さんの事を話していたのを記憶の片隅から呼び戻し、美影さんの携帯に電話しようとした。


「ママー?おでんわしゅるのー?」

「あたしもおでんわしゅるー!」

『お電話はするけど、二人はいいの。二人とも積み木で遊ぶんじゃなかったの?』

「つみきじゃなーいっ!しゅっしゅってやってたー!」

「しゅっしゅっ!」

『しゅっしゅっ?』


先程までは確かに積み木で遊び、家のようなものを建てて[ここがあたしのいえー!]と言いながら人形を取り出して一人で語っている娘の姿とロボットを持って

[ぼくがここをまもるのー!]と言いながらぐらぐら揺れる積み木の上に乗せていた息子がいた筈なのだが、いつの間にか遊びが変わっていたようだ。

二人の動きはどこかで見た事あるような気もするのだが、やはり良く解らなくて―――首を傾げて問いかけると二人は[ママ、しらないのー?]と自慢げに息を荒げる双子。


「ドタチンがねー、ママをまもれるぐらい、つよくなれーっていったからねーつよくなるー!」

「あたしもー!」

『……筑紫、紫苑……』


数日前―――門田さんに[強くなれよ。母親を守れるぐらいにな]と言われた事を思い出しているのか、胸を張って答えるので思わず二人の身体を自分の方に寄せて[ありがとう]と小さく呟く。
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