アンケート
□二人の影響
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リクエスト
九瑠璃と舞流が一日双子ちゃん達の面倒を見て、二人の影響で幽平さんのファンになる話見てみたいです!
<二人の影響>
新宿 早朝 某マンション
愛子視点
「イーザー兄ぃー!今日、ちょーっとだけ筑紫ちゃんと紫苑君借りていー?ていうか、借りちゃうねっ!」
「少(一日だけだから)……」
「駄目だ」
「えーっ!いいじゃんいいじゃーんっ!イザ兄のケチぃー!」
朝ご飯も食べ終わり、祝日だった為、子供達の保育園も無いのでのんびりとした時間が流れている早朝。
旦那は仕事が書類整理しかないらしく、いつもの定位置に座りながら欠伸を噛み殺しており、その姿を見ながら子供達と遊ぶ[日常]。
幸せだな―――と何度思ったか解らないようなのんびりとした、本当に[何もない]一日を味わっていると、
来客を知らせるチャイムが1度鳴り、[誰かな]とそちらに向かって立ち上がろうとしている間にも、ピンポンピンポンピンポン―――
と連続して鳴り続き、旦那―――折原臨也は小さく溜息を吐き出し、[俺が出るよ]と言ってそちらに向かっていく。
―――知り合い?
―――静雄さんなら絶対出るわけないし……。
―――でもだからって静雄さんがわざわざ新宿まで来るとも思えないし……。
彼の天敵である男かと一瞬考えたが、彼がわざわざ新宿である彼の事務所にやってくるか―――と気付き、否定する。
もし、せっかちな臨也のお客さんとかならばテレビを見てケラケラ笑っている双子を隠さなければならない。
そんな事を考えている間に臨也と来客は一通り会話をしたようで彼の顔が寝る前より疲れた顔をしているのは気のせいだろうか。
『……パパ、大丈夫?』
「……これが大丈夫そうに見えるかい?……九瑠璃と舞流がここに来るそうだよ」
『え、九瑠璃ちゃんと舞流ちゃんが?何で?』
「俺が知るわけないだろう?ただ、大事な用事があるから早く開けてくれ、って」
『大事な用事……。何だろう……』
のろのろとソファに腰掛け、もう一度溜息を吐き出すと心底嫌そうな声で彼の妹である双子の名前を吐き出した。
―――彼氏ができた、とか?
―――確か黒沼青葉君、だっけ?仲良い、って言ってたし……その子と付き合い始めた、とか……。
―――でも、わざわざ臨也に言うのかなぁ……。
確かに兄妹ではあるが、そういう恋愛を家族に話したりするのだろうか。
もし私に姉や兄がいたとしたら相談として話すかもしれないが、あの双子とこの旦那が[一般的な]恋愛話をするとは思えない。
―――大事な話ってなんだろう……。
そんな事を考えている間に彼の妹―――折原九瑠璃ちゃんと舞流ちゃんが扉から元気に入ってきた早々、最初に戻る、というわけだ。
「お前達となんて引き合わせたらロクな目に遭わない事は目に見えてるからさ」
「変な事しないよぉ!きちんと夕方には帰すし、危なくなったら私が守ってあげるからっ!」
「絶(約束する)」
「駄目だ。ていうか、わざわざそんな事を言う為にここまで来たのか、お前ら」
「そうだよー!池袋もいいけど新宿もちょーっと回りたいかなぁ、ってクル姉と話してさー!」
兄妹の会話、というのはこういうものなのか、そう思った。
臨也もいつもの[表の臨也]とも違い、私に見せる[裏の臨也]とも違う家族だけに見せるのであろう、面倒そうにしながらも二人の相手をする[兄の臨也]がそこにはいた。