アンケート

□嫌な臭い
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リクエスト

納豆をみて嫌な顔をする臨也と、それに対する夢主ちゃんと双子とかもお願いします。


<嫌な臭い>


新宿 某マンション 朝

愛子視点


『おはよ、臨也』

「……ん、おはよう……」


大きな欠伸をしながら身体を動かしつつ、子供達が来るのを待っていると、

隣で虚ろな表情で目をパチパチさせながら起きたらしい旦那に声をかけると寝起きが解る声で返され、まだ寝ぼけているようだ。


「今日の朝ごはんって何……?」

『朝ごはん?んーと、納豆とご飯だけど……それがどうしたの?』

「納豆……?何で納豆なのさ」


まだ寝足りない、とばかりに寝返りを打ち、欠伸をしながら問い掛けてきた。

彼が珍しく朝ごはんについて問いかけてきたので不思議に思いつつも素直に問いかけると嫌だ、と一瞬で解る声音で不満そうに呟く。


『何で、って言われても……。昨日スーパーで安売りしてたから』

「安売りしてたから何でも買ってきていい、って事にはならないんだよ?君はもう少しお金の使い方を考えた方がいいんじゃないかな」


昨日、子供達と一緒に行ったいつものスーパー。

チラシを見ずに来てしまったので後悔しつつ、どんなものがあるか―――と物色していると[今日のお値打ち品]というポップが貼ってあり、

娘が[なっとー!]と指さし、息子が[これがいー!]と言うので、なら明日は納豆でいいか、という感じで朝ごはんが決まった。

だが、旦那の方は気に入らないらしく、寝起きとは思えない饒舌な口で文句を吐き出している。


―――お金の使い方を考えた方がいいのは臨也の方だと思うんだけど……。


彼のお金の使い方は間違っている、とは言わないが私の感覚とは違うものだ。必要ない、と判断したものには1円も出さないかと思えば、子供達の玩具には幾らでも使う。

と言っても、何でも買う―――というわけではないのだが。しかし、情報の為ならば私が[本当にそれでいいのか]と思うぐらいの額をポン、と出していた。


一度だけお金を数えている姿を見たのだが、どれだけ詰まっているんだ―――

という額を平気な顔をしてデスクの中に閉まっていたし、放り投げて[俺は便利屋じゃないんだけどなぁ]という文句を吐き出していた。

反対に私は、いくら臨也からのお金があろうとも高い物は買わないし、子供達の要望にもできるだけは叶えるつもりだが、高い物は[パパに頼みなさい]と断るぐらいだ。


それにチラシの確認は怠らないし、安くて美味しいもの―――をモットーにしているので時々売っている高そうなお肉や魚には手が出せない。

それでも彼―――折原臨也と買い物に行くと[これがいいな]と何でもないかのようにカゴの中に入れてくるのだが。


『はいはい。ごめんね?今度からは買って来ないようにするけど……今日はそれしかないから』

「卵焼きは?」

『おとといの夜、オムライス作って使い切っちゃった』

「…………」


適当な返事を返しつつ、納豆とご飯しかない―――というと彼が今食べたい物をリクエストしてきたので、丁寧にいつ使ったのか言うと小さく溜息を吐き出しつつ起き上がった。


『どこか行くの?』

「……そのつもりだったけど、やっぱり家族で食べる朝ご飯が俺は好きだからさ」


着替えるのか、タンスの中からいつもの服を取り出しているので、私も起き上がりながら問い掛けると数秒考えた後、

面倒になったのかそれとも言葉通りなのか、服を取り出すのを止め、ベッドに腰掛けている。

そんなに納豆が嫌なのか―――と思い、問いかけると[匂いが、ね]と思い出しているのか首を振って答える臨也。
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