アンケート
□小さい頃
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リクエスト
主人公ちゃんの初めての育児(過去編)を読んで見たいです
いつか書きたいと思っていた小さい時の話。まさかリクエストとしてお願いされるとは思ってませんでしたww
<小さい頃>
新宿 某マンション
愛子視点
「臨也、見て見て』
「?……ああ、二人の写真か。ていうか、そろそろ携帯替えても良いんだよ?」
『でも……そんな我儘言えないし……』
携帯のフォルダーを整理していた時、懐かしい写真を発見したので報告するように椅子に座ってパソコンを眺めていた彼の所へ行くと古ぼけた私の携帯を見て言う。
「気を使わなくたっていいのに。君が欲しい、って言うならいくらでも携帯なんて用意してあげるんだからさ、そろそろ替えなよ」
『……じゃあ、そうする。九瑠璃ちゃんと舞流ちゃんにも言われたし……』
まだきちんとメールや写真などの機能は果たしている為、そこまで携帯を替えるつもりはなかったのだが、
許しが出たので今度彼の妹である双子―――折原舞流ちゃんと九瑠璃ちゃんと一緒に携帯を変えに行こう、と決意する。
「今は最新機種だってあるんだし、君もいっその事最新機種にしてみたら?俺とお揃いでさ」
『え……いいよ、そんな!……でも、お揃いって何かいいなぁ』
「だろう?俺も丁度携帯を変えようと思ってた所だし、今度一緒に見に行こうか」
『!……そういう事か』
[お揃い]という言葉が魅力的で―――ちょっとだけ最新機種にしてみたいな、という気持ちが出てきた所に[一緒に見に行こう]と言った彼の言葉で全てを理解し、溜息を吐き出した。
―――九瑠璃ちゃんと舞流ちゃんとは行かせない、って事ね……。
『……本当に大人げないなぁ』
「何の事かな?……ていうか、もうそんなに経つんだねぇ」
『え?……ああ、うん。そうだね』
爽やかな笑顔でとぼける彼―――折原臨也は私が先程見せた写真の事を思い出すように、そして呟くように言葉を吐き出し、懐かしんでいるようだ。
「初めて立ったのがもう5年前になるんだねぇ」
―――――――……
数年前 新宿 某マンション
愛子視点
『おいでー』
「あー!」
「あーうー!」
部屋の中を元気にハイハイする双子。
私の事も解ってくれているようで名前を呼んだり、[おいで]と言ったりすると勢い良くこちらに向かってハイハイするのだ。
その姿が可愛らしくて―――写真を色々な角度から撮ってみたり、二人の頭を撫でてあげると喜んでいるような素振りを見せてくれる。
―――可愛いなぁ……。
「ママの所ばかりじゃなくて俺の所にも来なよ、二人とも」
「あー……」
「あーうー……」
「……何でそんなに嫌そうなの?まだ俺はお前達に何もやってないんだけどなぁ」
『臨也が悪い人だって気付いてるんじゃない?』
私が座っているソファの端で掴まり立ちをしている双子に臨也は両手を広げて呼ぶが、双子は先程とは違い、
[何でわざわざ行かないといけないの]と言わんばかりに返事をしつつ、掴まり立ちをやめてハイハイしながらやってきた。