アンケート
□双子がいない日
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リクエスト
双子が家で遊んでいた最中に主人公が大切にしていたもの(アクセサリーなど菜那さんが書きやすいとおもったもので)を壊してしまい、
片方に罪をなすりつけ合う双子に対し主人公が思わず二人の頬を叩いてしまい、痛みと母に殴られたショックで双子は家出してしまうお話を読んでみたいです。
<双子がいない日>
昼 新宿某マンション
視点なし
「紫苑ー、ママとパパのおへや、はいっちゃめっていってたよー?」
「だいじょーぶ!とーともママもいそがしーだから!」
「でもぉ……」
「へーきへーき!」
二人の親が忙しそうに動いている中、小さな子供達は探索するように2階の両親の寝室までやってくると音を立てないように扉を開け、中に入ろうとしていた。
しかし、姉は後で両親に怒られる―――と思ったようで弟を制止させようとするが、片割れはニコニコと笑顔で中に入っていく。
それに[おこられてもしーらない!]と言いつつ、姉も釣られるように両親の寝室へと足を踏み入れた。
「おっきー!」
「おっきーねー!」
「……ママとパパのにおいがするー」
「……ほんとーだー!」
ベッドへと駆け寄っていき、思い切りダイブするように寝転がる双子。
抱きしめた時、頭を撫でられた時、抱っこして貰った時―――様々な所で両親の匂いを嗅ぐ機会があるのだろう。
すん、と布団の匂いを嗅ぎ、喜んだかと思えば肺いっぱいに両親の匂いを吸い込み、[とーとだー!][ママのにおーい!]と既に両親の部屋に入ってしまった罪悪感は消えてしまったようだ。
「…………」
「?」
「ママのかなー?」
「キラキラ、きれー!」
ベッドから降りたかと思えば、近くにあった小さな箱の中―――指輪やネックレスなど宝石箱のようなものを発見し、じっと見つめる姉。
弟も気になるのか、指輪を手に取ってみては[ママのー?]と首を傾げている。
「パパのかなー」
「ママ、つけてないもんねー」
しかし、双子の母親がキラキラとした宝石を身に着けている姿など見た事がなかったので、もしかしたら父親のかもしれない、そう考える双子。
「とーと、キラキラすきかなー?」
「パパのてについてるよー?」
「とーとのキラキラかなー」
「……いいなー」
「……ぼくもつけるー!」
最終的にこの宝石箱らしき箱は父親の物だと判断したらしく、二人は顔を見合わせた後、ネックレスやブレスレット、指輪など宝石を楽しむように身に着けて行く。
「紫苑のかしてー!」
「やーだー!筑紫のこれ、かしてー!」
「やだっ!それ、かしてよぉ!」
「やだやだっ!筑紫がかしてよー!」
最初は仲良くアクセサリーを楽しんでいたのだが、他人がつけている物はよく見えてしまうのか、姉―――折原筑紫は弟―――折原紫苑の首にかかっているネックレスを欲しがった。
しかし、紫苑も取られたくはないのでネックレスを取られないように両手で掴み、必死で守ろうとしている。