アンケート

□過去、未来
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リクエスト

臨也が過去にトリップして自分と出会う前の奥さんと会い、自分を更に好きになるように仕向ける話が読みたいです。


このリクエストが一番考えました;

どういう感じで終わらせよう、とかどう始めよう、とか。頑張ります><


<過去、未来>


???

臨也視点


「……ん……っ」


いつもの朝。いつもの[日常]。

騒がしくとも隣には愛しい妻がいて、可愛い我が子が2人もいて―――それなりに幸せな生活をしていた筈だ。


それが、どうだ。

目を開け、ボーっとした頭でゆっくりと置き上がるとそこは、自分が初めて一人暮らしを始めたマンションに似た構造になっており、

隣にいる筈の―――いつものように一緒に寝た彼女の姿はなく、白い壁が広がり、ベッドはシングルのようだ。


「なんで、ここに……」


酒に酔って家を間違えた―――なら解る。

しかし、昨日は酒を飲んだ覚えはないし、飲むとしても家を間違える程酔ったりしない。

ぐるり、と周りを見渡すと部屋の中には学生が使うような教科書や寝る前までやっていたであろう課題などが散乱しており―――

やはりここは、自分が拠点としているあのマンションとは違うようだ。とりあえず教科書や課題などを簡易テーブルの上に乗せ、顔を洗いに洗面所へと向かった。


―――どこだっけ……。


もう何年も前だ。

それに、情報屋なんていう仕事をしていると家を特定されないように色々と細工を仕組んだり、複数借りていたり―――

その中で少しだが生活していたので、どのマンションがどのような作りで、どこに洗面所や台所などがあるのか解らないのだ。


寝室を見る限りでは、ここは大学生になったのと同時に一人暮らしを始めたマンションのようなので感覚で歩いて行くと、

お風呂場が扉を隔てた奥にあり、手前には洗濯機と洗面所がある場所を発見し、中に入っていく。


「これは、夢なのか……?」


人間は夢を見る。

記憶に刻まれている楽しい夢や、ホラー映画などを見た後の怖い夢。

鮮明に脳に残されれば夢に出るとは聞くが―――大学生時代を記憶に残していた覚えはないし、殆ど[忘れていた]と言っても過言ではない。


しかし、誰でも[初めて]の記憶は残るし、それがやっと叶ったとなれば、脳の奥まで記憶されていてもおかしくはない。

しかし、手に取る水の冷たさも、目の前に映る若さが抜けきらない自分の顔もハッキリと認識でき、これはもしかしたら夢ではないのではないかもしれない―――と考えた。


だが、何故自分はここにいる?

昨日―――寝る前までは彼女に対して[おやすみ]と言って笑い、彼女も[おやすみ]と言って笑ってくれた。その記憶は鮮明なのに―――次に目を覚ましたら誰もいないのだ。

男女の双子―――筑紫も紫苑も。そして、妻である愛子の姿も。どこを探しても居ないし、どこをどう見ても学生が生活してます、と言わんばかりだ。


―――……新羅に頼るか?

―――いや、アイツなら大笑いしそうだ。


あまり手は借りたくないのだが、もしこれが俗に言う[タイムトリップ]だとしたら―――俺と同じ年代の友人も同じように生活している筈だ。

そして―――愛子も。


―――……愛子は……。


彼女の話していた過去を思い出す。

今はまだ俺はただの、とは言わないが大学生で―――彼女はまだ、中学1年ぐらいの年だろう。
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