アンケート

□宿敵達の日常
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リクエスト

それか臨也と静雄が嫌々双子の子守りするお話とかいいですね♪


こちらは[我儘な双子]のリクエストを下さった方の続きのリクエストです。

<宿敵達の日常>


新宿 某マンション

愛子視点


『ねえ、臨也……本気で子供達と一緒に池袋に行くつもりなの?』

「本気だよ。君だって子供達を連れてよく池袋に遊びに行ってるじゃないか」


いつもの週末。

しかし、私にとってはいつもと違う週末を迎えようとしていた。今日は保育園の集まりがあるそうで、お昼から新宿の喫茶店に集まる事になっている。

子供達と一緒に行く、と彼に言ったのだが―――


――「俺が面倒を見るからさ、君は久しぶりに楽しんできなよ」


と言ってくれたので安心したのも束の間、旦那にも外せない仕事が入ってしまったらしく、波江さんに頼もうとしたのだが

[今日は誠二と会う約束をしているの]とスッパリと断られてしまい、やっぱり私が連れて行くしかない―――そう決めた時に旦那が[一緒に連れて行く]と言い出したのだ。


『そう、だけど……。やっぱり危ないんじゃないかな……』

「平気だよ。危ない所には連れて行かないし、子供を時間で預かってくれる所も俺は知ってる。有意義に時間を使う事ができると思ってるよ?」

『…………』

「……じゃあこうしよう。子供達の写真を付けて1時間ごとに君にメールを送る。……これでどうだい?」


情報屋でもある旦那―――折原臨也の隣に小さな子供達。

ただえさえ、子供がいるんではないか―――という噂を消しても出てくるのに、それを立証するかのような事をして―――臨也はどうにかなるかもしれないが、問題はまだ6歳の子供達だ。

母親としての私は、やはり自分が一緒に居て、危なくない所に置いておきたい所だが、女としての私は、臨也に絶対的―――といっても過言ではない程の信頼をしているので認めたい。

そんな、自分自身との戦いに彼は、子供達に危なくない事を証明する―――という条件付きで自分との行動を認めて欲しい、と言っているのだ。


―――認めたくないけど……臨也なら、子供達を守ってくれる、よね……。


もし私が襲われたら―――きっと何の抵抗も無く子供達は誘拐、もしくは殺されてしまうだろう。

だが、臨也と一緒に居れば0%の確率が10%、20%―――50%、100%と生存率が上がっていくのは確かだ。

そんな事を考え、たっぷり数分。私は溜息を吐きつつ、[解った]と肯定した。


『でも……絶対二人の事、守ってよ?次に会う時が病院の上……何て言ったら離婚だから』

「離婚なんて……酷いなぁ。俺がいつ、子供達を見捨てるような真似をしたんだい?」

『例えば、の話。……。……臨也なら守ってくれる、って信じてるから』

「……任せてよ。必ず守るから」


―――――――……

数十分後

臨也視点


「ほらお前達、迷子にならないように俺と手を繋ごうか」

「うんっ」

「とーとのて、あったかーい!」


あれから互いに用意をして、そして子供達に今日の事を話すと最初の頃は[ママといっしょがいー]とぐずっていた双子だったが、彼女が―――


――『紀田君達がいるかもしれないよ?』


と言うと手の平を返したかのように[いくー!]と元気よく返事をしたので、俺の中では不満や言いたい事があったが、

急いでいる事もあってか、とりあえずその感情は隅に追いやり、今こうしてタクシーを降りて池袋の地を歩いている。
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