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□我儘な双子
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リクエスト

一日だけ臨也が双子の言いなりになるお話を読んでみたいです!


<我儘な双子>


6月中旬 新宿某マンション

愛子視点


「ケーキ!ママっ、ケーキかうー?」

「いちごしゃんとーぶどうしゃんがいっぱいなのがいー!」

『はいはい。大丈夫、解ってるからね』


今日―――それは双子が生まれた日でもある。

6年前―――大事に大事にお腹の中で育ってきた子供達が、今日と言う日に生まれ、そしてすくすくと育ち、ここまで大きな怪我や病気もせずに太陽のような笑みを浮かべている。


私に良く似た姉は紀田君や竜ヶ峰君、杏里ちゃん達にもらったプレゼントを大切に両手に抱えながら今日の夜に食べるケーキの心配をしており、

旦那によく似た弟は乱雑に置きながらも、自分が食べたいケーキを買ってもらおうと必死だ。

双子なのにこうも性格が違ってくるのか―――と思ったが、二人は一卵性ではないので違うのも当たり前か、と思い直す。


「お前達、ケーキの心配じゃなくて俺達から貰うプレゼントの心配をしなよ」

『それって……二人の発言次第ではあげないよ?って言ってるの?』

「どう取って貰っても構わないよ。……どうする?俺とママのプレゼント……いらない?」


試すように―――ニヤニヤと嫌な笑みを浮かべつつ、二人の方へとやってきて同じ目線となるともう一度[どうする?]と聞いてきた。


「……パパ、きらーい」

「……いじわるいうとーと、きらーい」

「…………」

『ばーか……』


もしここに紀田君や静雄さん達が居たのならば、爆笑していたであろう旦那の表情。

彼の挑発を全て無視し、[意地悪]という一言で片付ける双子。そんなやり取りを見て、心の中で[自業自得]と呆れつつ、声に出して呆れの言葉を彼に投げ付ける。


「……意地悪じゃないよ?これは……お前達を試してるのさ。本当にプレゼントが欲しいのか、っていうね?」

「……きらーい」

「とーと、きらーい」

「…………」

『……うん、ドンマイ』


取り繕うかのように二人に言葉を吐き出すが、ことごとく破り捨てられる彼の言葉。

漫画のシーンであれば、[ずーん]と周りに黒い雰囲気が漂い、のの字を床に書いていそうな旦那の表情に何も言えず、苦笑するしかない私。


「ママー、とーとがいじわるしてくるー」

「パパ、やー」

『……パパ、そろそろ止めないと本気で嫌われるよ……?』


変質者を見つけたかのような足取りで走ってこちらへとやってくる双子。

その足取りに私は小さな溜息を吐き出し、旦那―――折原臨也に向かって制止を求めた。

すると臨也は[そうだねぇ]と肯定した言葉ではなく、何かを考え付いた―――と言わんばかりの表情で怪しく笑う。


「じゃあもし……俺が今日一日お前達の言う事を何でも聞くって言ったら……どうする?」

『!?……本気?』

「ああ、本気だよ。文字通り何でも、ね。何かを盗んで来い、って言うのなら喜んで盗んでくるよ?」


冗談としか思えない言葉を臨也はサラリと言い放ち、私は正気を、いや、彼に熱が無いか確かめた。しかし、いつもと変わらない体温であり、私はもう一度[本気?]と彼に尋ねる。
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