折原家
□突撃隊
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注意書き
狩沢さんと遊馬崎がキャラ崩壊してると思います。それでも宜しければどうぞ。
<突撃隊>
新宿 某マンション前
視点なし
「ちょっと迷ったけど……ここだね!愛子ピーとイザイザの愛の巣は!」
「やっぱり臨也さん、凄いっすねー。俺じゃ、こんな所一生かかっても住めそうにないっす」
「だよねー。……情報屋ってさ、儲かるのかな?」
「狩沢さん!?狩沢さんが悪の道に進もうとしてるっす!」
「ふふふ……狩沢絵理華から可憐な絵理華に変わる瞬間が来たのよっ!……って冗談冗談!すぐゆまっちは本気にするんだからー!」
新宿にある、とあるマンション前。
二人の男女はそんなマンションを見上げながら会話を続けており、どうやって中に入ろうか考えているようだ。
しかし、二人の前にはオートロック、という壁が立ち塞がっており、鍵か番号が無ければ開ける事すらできない。
「んーどうしよっかー。二人には内緒で双子ちゃんの可愛い衣装、持ってきたんだけどなぁ」
「狩沢さん!そんな嘘は駄目っすよ!俺には解るっす、狩沢さんが何をやりたいのか、という事をっ!」
「あははは、やっぱゆまっちには敵わないねー!」
時間はまだ朝が始まった時間帯であり、もしかしたら寝てるかもしれない―――という考えは二人の中には無いようだ。
それもその筈―――女の方はこのマンションに住む家主の妻と友人関係にあり、メールが返ってくる時間帯を計算し、[この時間ならば起きている]と確信を持って来ているのだから。
「でも、オートロックじゃ俺ら、どうする事もできないっすよ?ピッキングするにしてもこのマンションじゃ、開けた瞬間に御用になるのが関の山っす」
「そうなんだよねー……。あ!じゃあさ、いっその事―――」
―――――――……
某マンション内
愛子視点
「……何で狩沢と遊馬崎がここにいるわけ?」
朝の早い時間帯。
彼は眠たそうな表情をしながらコーヒーを飲んでおり、どこか不満そうな声でそう呟く。
チャイムが鳴ったのは旦那―――折原臨也が起きてくる前であり、子供達が起こしに来た時は本当に気持ち良さそうに眠っていた。
二人には[パパが寝てるから]といつもの台詞を吐き出しつつ、3人で静かに下に降りていき、いつもの事をいつものようにこなしていると―――
全てを壊すかの勢いのチャイムが鳴り響き、誰なんだ、と怒鳴りたい気持ちを押さえながら確認すると知り合いの2人であり―――そのチャイムで寝ていた臨也は起こされたらしい。
『……色々あって、ね。ごめん……』
「……それで?何の用事なの?こんな朝早くからさ」
「よくぞ聞いてくれました!いやーイザイザがそんな顔であたし達に会うなんて珍しい、っていうかレアだよね!あーっ、高画質カメラに替えておけば良かったぁぁああ!」
「そんな時を思って用意しておいたっす!」
「おーおー!良くやった、褒めて遣わすぞ!」
「有難き幸せ」
コントのような言葉を吐き出している二人に臨也は大きな大きな溜息を吐き出し、[用がないなら帰れ]と小さな声で呟いている。寝起きの彼はあまり機嫌が宜しくないようだ。
「かりさわーゆまさきーごようじ、なーにー?」
「あそぶのー?」
「あーんっ、かーわーいーいーっ!この純粋な目っ!ゆまっち、私達にもこんな時代があったんだよー」
「今の俺らじゃ考えられないっすねー。時代って……怖いっすね」
そんな父親の雰囲気を察したのか、二人は見ていたテレビから視線を少しだけ狩沢さんと遊馬崎さんに合わせ、首を傾げて問いかけている。
「ゆまっち、良い事言った!……ってまあ、そんな事言ってたら話が進まないか。ここに来たのはねー、
折原家突撃インタビュー!って事でイザイザの私生活に迫ろうかなーって思って!」
「…………」
『突撃……インタビュー?』
「いんた、びゅ?」
「いんたびゅ、ってなーにー?」
呆れ顔の臨也。突然の事に反応できない私。何の話か理解できていない双子。